Amazon Echo/アレクサで英語を勉強する方法

僕がアメリカで初めてAmazon Echoを買ったとき、英語の勉強にとても役立った。Echo/アレクサとのやり取りは、全部英語だったから。日本版Echoでも、言語設定を英語に切り替えれば同じことができる。それだけじゃなく、日本語設定のままでも、英語勉強用のスキル(拡張機能)を使って、ある程度までは英語力を伸ばせるよ。今回のブログでは、Echo/アレクサを英語の勉強に役立てる方法をいろいろ紹介しようと思う。

アレクサとのやり取りを全部英語でするには

これ、僕が一番お勧めする方法。アレクサの基本設定を英語仕様にしてしまうんだ。こうすると、こちらから何を言うにも英語で言わなきゃならないし、発音が悪いとアレクサは聞き取ってくれないし、アレクサからの答えや確認、質問なんかも英語だから、嫌でも英語の勉強になる。ただし、上級を目指す人向けで、英語入門者にはチンプンカンプンすぎて向いてないよ。

アレクサを英語仕様にするには、やり方が2つある。1つは、日本語版Echo/アレクサの言語設定を「英語」に変更するやり方。これだと、Echoは半分くらい英語版に変身する。もう1つは、(日本で買った)日本語版Echo/アレクサを、アメリカのAmazonアカウント(Amazon.comのアカウント)で登録し直すこと。こうすると、日本で買ったEchoでも、完全なる英語版Echoに変身する。アメリカ人がアメリカで使っているものと同じになる。

1. 言語設定を英語に変更する

日本で買った日本版Echoの言語設定を「English」にすると、アレクサは何でも英語で喋るよ。その発音は、日本人向けの教科書英語なんかじゃなく、アメリカやイギリスの人たちが使ってるEcho/アレクサと同じネイティブ英語。

例えば「Hello!」と話しかけると、「Hi, there」と返してくれる。「Are you busy?」と訊くと、「No, I’m free to talk」と言ってくれる。「Do you have a secret?」と訊くと「I don’t have any secret to share」と意味深な答え。「Tell me a joke」と頼むと、英語の短いジョークを言ってくれる。(アレクサの答えはその時々で変わるので、毎回こうなるとは限らないよ)

ただ、日本版Echoの言語設定を変えただけじゃ限界があって、全部が全部英語になるわけじゃない。例えば英語で「ニュースを聞かせて」と命令しても、流れて来るニュースは日本のメディアが放送している日本語のニュースだ。日本版Echoは、日本のメディアとしか連携(というか業務提携)していないからだと思う。

言語設定を変える具体的な方法は、Amazonのヘルプページにも書いてあるけど、facenaviの記事の方がすごく分かりやすい。(基本的には、Alexaアプリで「設定」→「言語」→「English」と選んでいくだけ)

ひとつ書いておかなきゃいけないことがある。僕が言語設定を英語に変えたとき、登録してあった(有効化してあった)日本版のスキル(宮古島の海の音、とか、日本のラジオを聞くための「ラジコ」、とか、クックパッドとか)がどれも使えなくなった。でも、スキルがそのものが消えちゃったわけではなく、設定を日本語に戻すとまた全部使えるようになった。調べると、僕以外にも同じ経験をしている人がいたよ。あらかじめこのことを知っておくと、焦らないで済むはず。

2. アカウントをAmazon.comに変更してEchoを100%英語化する

Echo/アレクサを英語化するもう1つの方法は、米国Amazon(Amazon.com)でアカウントを作り、その米国アカウントでEcho/アレクサにログインすること。

日本のAmazonで買ったEchoのアカウントは自動的にAmazon.co.jpのアカウントになっているけど、Alexaアプリを起動させた時に出てくるログイン画面で、米国アカウントでログインすれば、米国アカウントに変更される。

こうすると、Echo/アレクサが英語で喋るだけじゃなく、流してくれるニュースも英語になったり、アメリカ人向けのスキルを有効化して『Jeopardy!』(有名なクイズ番組)スタイルのクイズをやったり、会話で進める冒険ロールプレイングゲームを(もちろん英語で)やったりできるようになるよ。

(日本のアカウントでログインし直せば、日本のアカウントに戻る)

そして極めつけは、アレクサと適当な会話を(もちろん英語で)ダラダラできること。日本版Echoの言語設定を英語にしただけじゃ、こっちが何か言ったときにアレクサから返ってくる返事は1回だけ。それ以上話を続けたり、発展させたりはできないんだ。

でも、米国アカウントでログインすると違う。「Alexa. Let’s chat!」と呼びかけると、その後アレクサと何往復も会話ができるんだ。文字通り、アレクサとチャットができる。(なんでも、世界のAI研究者が知恵を絞って、最低20分は会話が続くようにアレクサをアップデートしたらしい)

と、まあ、こんなふうに、米国アカウントでログインすると英語の勉強に役立つんだけど、日本で使うには不便なことが他におこってくる。例えば、日本のアマゾンで買い物ができないとか、上にも書いたように日本版のスキルが使えなくなるとかね。

だから(かどうかは確かじゃないけど)Amazonは、こういう使い方を全然推奨してないし、公表してもいない。ヘルプページのどこを見ても、「米国アカウントでアレクサを使う方法」なんて書かれてないんだ。でも、やり方を知りたい人はマシュさんというブロガーさんのブログを読むといい。(このマシュさんは、Spotifyを聴くために日本版Echoのアカウントを米国アカウントに変えている。米国アカウントの取り方から説明してくれていて、僕が説明するよりずっとわかりやすい)他にtshimbaさんのブログ「tshimba’s blog」も参考になる。

本サイトを手伝ってくれている同僚のHiroshiも、英語上級者を目指して勉強中で、Echo/アレクサを米国アカウントで使っている。ただ、必要に応じてアカウントを米国⇆日本に切り替えるのが面倒だし、頻繁に切り替えて予期せぬバグが出るのも心配だと言って、家族用とは別にEcho Dotを1台買い、最初から米国アカウントで設定し、英語勉強専門にして使っている。

出来合いの英語勉強用スキルもいろいろ

Echoには、設定用のAlexaアプリ(やAmazonサイト内の専用ページ)にある有効化ボタンを押すことで使えるようになる「スキル」がたくさんある。その中に、英語勉強用のものがいくつかあるので紹介したい。これは、言ってみれば、英語学習プログラムみたいなものだよ。どれもアマゾンとは別の会社(や個人)が作ったもので、初〜中級の英語学習にちょうどいい。(スキルを有効にする方法は、Amazonサイトのヘルプページ「Alexaスキルを有効にする」を参照)

オールイヤーズイングリッシュ〜このスキルを有効化すると、英語学習者向けのポッドキャスト「オールイヤーズイングリッシュ(All Ears English)」を聞けるようになる。このポッドキャストはアメリカの3人のESLの先生が、2014年頃からずーっとやっているもので、英語学習者の間では結構有名。(詳しいことは『英語学習者のポータルサイト English Hacker』の記事にわかりやすく書いてある)ESLというのは、英語を喋らない国の人に英語を英語で教えるコースだよ。このポッドキャストも全部英語。ちょうどNHKの英会話講座が、説明や解説の部分まで全部英語になった感じ。1回分の長さは約15分程度。実はこれ、Echoじゃなくても、サイト『All Ears English』に行けば過去の分全部を聞けるし、ダウンロードもできるよ。僕も、アメリカにいた頃から今までずっと聞いている。英会話上級を目指す中級者に、非常にお勧め。Amazonのスキルページはこちら

英語で泣けるちょっといい話〜語学教育で知られたアルクが提供するスキル。3分ほどの長さの、泣ける(かどうかは分からないけど)ちょっといい話を英語で聞かせてくれる。英語中級者にお勧め。1日1話しか聞けないのと、全部で20話しかないのが僕にはちょっと不満だった。YouTubeにサンプル動画がある。Amazonのスキルページはこちら

アルクの英語クイズ〜これもアルクが提供するスキル。TOEICのリスニング問題(L&RテストのPart 2)と同じ形式の問題を出してくれる。まず短文が読み上げられ、それにふさわしい回答をA/B/Cから選ぶ。TOEIC受験準備にお勧め。YouTubeにサンプル動画がある。Amazonのスキルページはこちら

今日の英語の単語〜Echo用のゲームスキルで有名なアメリカの会社Volley Inc.が、日本人向けに提供している、かなり上級者向けのスキルだ。1日に1つの英単語の意味を、英語で、教えてくれる。その単語を使う場面の具体例なんかも、英語で、教えてくれる。しかも、取り上げられる単語が、アメリカ人でも教養のある人しか使わないようなちょっと難しいもの。英英辞典を使うレベルの上級者なら、「へえー、そんな単語あったんだ」という新鮮な驚きがあるはず。YouTubeにサンプル動画がある。Amazonのスキルページはこちら

リバティーイングリッシュ〜これは語学関連スキルを開発している日本人エンジニアグループが作ったスキルらしい。初級コース、上級コース、テスト問題などがまとまった勉強用プログラムになっている。ただ、基本的には、外人がワンフレーズ言った後に間が取ってある(その間にこちらがリピートする)というつくりなので、やっていてあまり面白くない。YouTubeに初級コースのサンプル動画がある。Amazonのスキルページはこちら

ALSOKあんしん英会話〜外国で犯罪に遭遇したとか、事故にあったとか、そんな緊急時に知っておくといい英語の一言を、クイズ形式で教えてくれる。具体的には「Call an ambulance!」とか「Are you alright?」とか、はっきり言って英会話ではなく、ワンフレーズを教えてくれるだけ。本格的な英語勉強にはならない。YouTubeにサンプル動画がある。Amazonのスキルページはこちら

英単語に特化したスキルもいろいろ

英語勉強用のスキルの中には、英単語の暗記に特化したものもある。そのレベルは小中学生向けから受験生向けまでさまざま。

キクタン〜『英語の達人になるアルク学参シリーズ キクタン』のCD音声を聞くことができる。スタートするとビートのきいた音楽が流れ始め、それにのってまるでラップのように外人が1つの英単語を発音し、続けて日本人が日本語で意味を言う……というのを繰り返す。これを聞いているだけで英単語の発音と意味が頭に入ってしまう、らしい。少なくともAmazonのスキルページにはそう書いてあった。単語の難しさは3段階のレベルが選べて、ベーシックは入門者向け、アドバンスは高校受験レベル、スーパーは難関大学入試レベル。YouTubeにベーシックレベルのサンプル動画がある。

せかいのくにABC〜世界の国の名を日本語で(カタカナで)言うと、アレクサがネイティブスピーカーの発音を聞かせてくれる。世界204カ国を収録している。首都の名もついでに教えてくれたり、国名や首都に関する簡単なクイズを出してくれたりもする。おそらく子供向け。YouTubeにサンプル動画がある。Amazonのスキルページはこちら

からだABC〜体の部位を日本語で言うと、英語で何と言うかをネイティブの発音で教えてくれる。このスキルの制作者がYouTubeにプロモビデオをアップしている。「親子が一緒に楽しく英単語を勉強できる」のがポイントらしい。Amazonのスキルページはこちら

どうぶつABC〜上の「からだABC」の動物版。動物園にいる約62種の動物の名前を、英語で教えてくれる。YouTubeにこのスキルのプロモビデオがある。(制作者は上の「からだABC」と同じ)子供向けで、「ゾウさんは?」と聞いてもちゃんと答えてくれるのがいいよ。Amazonのスキルページはこちら

くだものABC〜これも上の2つと同じ制作者のもの。果物の名前を日本語で尋ねると、ネイティブが発音する英語で教えてくれる。子供向け。YouTubeにサンプル動画がある。Amazonのスキルページはこちら

上に挙げた他にも英語勉強用のスキルがいくつかある。例えば『とっさの旅英語』とか『とっさの英語』とか。でもこれは、(真面目に英語を勉強したい人にとっては)冗談レベルなので勧めないよ。また、『アルクの英語入門』というのがあるけど、これは英語のレッスン/講座ではなく、英語の先生向けに、英語をどのように教えるべきかという抽象的な方法論を日本語で説明したもの。実際の英語の勉強にはあまり役立たないのでお勧めしない。

Echo/アレクサのスキルは増え続けていて、英語勉強用のものもこれから新しいものが増えていくと思う。だから、AmazonのAlexaスキルショップを時々チェックしてみるといいんじゃないかな。今のところ、全部のスキルが無料だし。

アレクサに洋書を読み上げさせて、リスニングを鍛える

僕がリスニング力アップのためにずっとやって来たのが、Echo/アレクサに洋書のKindle本を読み上げさせて、聴く、ということ。「アレクサ、○○○○○○(本の題名)を読んで」と命令するだけで、アレクサが本の文字を読み取って、声にしてくれる。つまり朗読してくれるわけ。(具体的なやり方はAmazonヘルプの「AlexaでKindle本を読む」を参照)

この朗読が、素晴らしくいいんだな。発音もアクセントも、ネイティブの人間女性が話す英語に迫っている。しかも洗練された感じがある。(ただし、洋書を読ませたときのことだよ。和書を読ませたときの日本語は、平板で、間の取り方が変で、お世辞にもいいとは言えない。あと、和書のTOEIC対策本なんかに出てくる英語の部分は、全部カタカナ英語になっちゃうから、和書には注意)この素晴らしい洋書の朗読は、日本版Echo/アレクサのアカウントでもできる。

でもね、ちょっと難点もあった。

それは何かというと、アレクサとKindle本の連携があんまり上手く行っていないこと。例えば、アレクサやAlexaアプリが読み上げ可能なKindle本を上手く認識してくれない。買ったその本がちゃんとあるのに、Alexaアプリに表示されず、「本が見つかりません」となることが、結構あるんだ。もう一つ、早送りや巻き戻しや章のスキップを声で命令しても、気まぐれにしか作動してくれない。

Amazonの技術陣に改善を期待したいんだけど、2年前から状態は変わっていない。だから、今の僕は、Kindle本の代わりにAudible(オーディブル)を聴くようになった。

Audible(オーディブル)はAmazon傘下のオーディオブック(ボイスブック)ストアで、入会すると、人間のナレーターが読み上げた本の録音を、Echo/アレクサで聴けるようになる。きちんと連携しているし、早送りや巻き戻しもできる。Echoじゃなくても、スマホやPCでも聴けるから、スキマ時間で英語の勉強ができるのもいい。

Kindleにしろ、Audibleにしろ、本の朗読を聴くのは、英語上級を目指す中級者におすすめ。「ブロークンな英語はもういいよ、それより、1つのセンテンスが長い、上級英語を身につけたい」という人にちょうどいいと思う。

あと、付け足しだけど、よく知られてるアルクの英語学習雑誌「ENGLISH JOURNAL」がAudibleで聴けるよ。他にもアルクのメジャーな教材は、ほとんどAudibleで聴ける。Kindle本の読み上げだと、上に書いた通り、英語部分がカタカナ発音になっちゃうけど、Audibleは英語のできるナレーターがしっかり読み上げている。

Audibleの詳しい説明はAmazonサイトにある。最初に出てくるオレンジ色の『無料体験』ボタンを押すと(無料体験申し込みとはならず)、詳細説明とサンプル視聴のページに行けるようになっている。(少し不思議なつくりだけど)

Kindle本は、アレクサとの連携がいまいちだけど、洋書を読書するには値段が安くていい。1冊ずつ買ってもいいけど、たくさん読む人には月額980円で読み放題の「Kindle Unlimited/キンドル・アンリミテッド」というのもあるよ。

最後の最後に、これは僕個人の意見だけど、英語ができるようになるには、アレクサを利用するだけじゃなく、本当に生きている生身の外国人と話すのが大事だよ。生きている相手に向かって話して、通じたり通じなかったり、ドギマギしたり嬉しくなったり、時には冷たい反応をされたりする経験が大事、だと僕は思う。