エコーの工場では高校生が違法労働させられているという事実

Amazonの下請け工場で、16〜18才の中国の学生が「インターン」という名目で低賃金で雇われ、違法となる長時間労働をさせられていることが最近(2019年)わかった。ありがちなこと、と言ってしまえばそれまでだけど、楽しく便利なエコー、が、こうして作られていることを忘れないために、海外の報道を紹介しておこうと思う。

この件は、中国労働者の権利保護団体「China Labor Watch(CLW)」のレポートで明らかになったこと。Amazonの下請けでEchoやEcho Dotなどを生産しているフォクスコン社の中国工場に、CLWの調査員が潜入して調べたところ、16〜18才の学生が「インターン」という名目で、低賃金で雇われていることが分かった。

こうした「インターン」の人数は1,000人以上で、「特別なトレーニングを必要としない単純作業を、深夜に何時間もやっている」と、イギリスのメディアDaily Mailは報じている。

休憩中の「インターン」たち/China Labor Watch

The Guadian紙によれば、そこで働く17才のある女性は、日に3,000枚の透明フィルムをEcho Dotに貼り付けているそうだ。

また、その彼女は学校の先生の監督下に置かれており、「働かないと卒業させない」と脅されているらしい。同紙の取材を受けてこんなふうに言っている。

最初は1日8時間のシフトで、週5日働くことになっていました。けれどすぐに、10時間・週6日に増えました。

工場のマネージャーに、時間外労働はしたくないと言うと、マネージャーはそのことを学校の先生に伝えました。先生は、「時間外労働をしないとフォクスコン社でインターン生として実習したことにならないから、学位の取得や卒業に影響するだろう」と言いました。

だから我慢する以外にありませんでした。

昼休み中の「インターン」女性/China Labor Watch

中国では16〜18才で働くことに問題はないが、1日8時間を超える労働と夜間の労働は禁止されている。

工場を運営管理するフォクスコン社は、学生たちを違法に働かせていたことを認め、The Guadian紙を通して、「インターンシップ・プログラム」の見直しを約束している。

Amazon Echoなどという贅沢品がこういう弊害を生むのだ、と言う人もいるだろう。一方、Echoのおかげで工場での働き口が増えるのだ、と言う人もいるだろう。どちらが正しいことか、僕はわからない。ただ、Echoがこんなふうに作られていることは、ユーザーとして覚えておきたいと思う。