アレクサは、あの真面目な声で、ひどくトンチンカンな受け答えをすることがある。時にはそこから、傑作なギャグが生まれることがある。そのいい例が、最近TikTokに投稿され、ちょっとした話題になっている。
その動画は2月18日に投稿され、5日間で300万回以上視聴された。映っているのは、小さな子供がアレクサと交わした珠玉の会話だ。部屋に付けた見守りカメラが録画したもので、母親がTikTokに投稿した。
母親によれば、子供部屋にEcho/アレクサを置いて、夜、子供が寝る時に子守唄を歌わせる(流させる)ようにしているそう。
ところがある晩、子供は寝つかず、突然こんなことをアレクサに言った。
「アレクサ、アイ ニード ダディ(I need daddy)」
するとアレクサは、
「何を加えましょうか?(What should I add?)」
ここでもう会話がズレているのだが、子供はかまわずに、切実な望みを繰り返す。
「ダディ」
アレクサは落ち着いた声で、
「ダディをあなたのショッピングリストに加えました。他にも何かありますか?」
「ううっ」子供は明らかに落胆して口ごもり、「No」。
カメラ越しに見ている両親は、笑いを抑えられない。
下にあるのがその動画。録音状態が良くないので、英語のキャプションが入っている。子供が「ダディ」と言っているのは、聴いて大体わかる。(この子、アレクサ、としっかり言えず、冒頭で「アレクシャ」と言っているが、それでもアレクサは応答できている)
@alyfemiaAlexa, I need daddy♬ original sound – Aly Femia
「必要」と言うと「買わなきゃ」と理解するアレクサ
アレクサには、ユーザーが言った品物を、スマホの(アレクサアプリの)中にあるショッピングリスト(早い話メモ帳)に、自動で書き込む機能がある。例えば、「ケチャップをショッピングリストに入れて」みたいに言ってから、スマホでリストを開くと、自動的に書き込まれている。これが、上の動画のヘンなやり取りの原因になったというわけだ。
「ショッピングリストに加えて」と四角四面に命令しなくても、アレクサはAI(人工知能)だから、人の言ったことを適当に解釈する。「〜が欲しい」とか「〜が必要(I need 〜)と言っても「それを買いたいんだな」と解釈する。だから、「ダディをショッピングリストに加える」ことになってしまった。
「ダディ」が何か、アレクサが知っていれば、こんなことにならなかったんだけど、アレクサの知能はまだまだこの程度なんだよね。
動画を見た人たちからは、「男の子が落胆するのが可愛い」というコメントが多く付いている。「ショッピングリストを開いて、本当に『ダディ』が入っているか確かめたい」という人もいた。
ある人は、「『ショートカット』を設定して、ダディが必要と言われたアレクサが、ダディに自動で電話をかけるようにすればいい」とアドバイスしている。日本のアレクサは、一般電話をかけることはできない。でも、スマホにアレクサコールする『ショートカット』なら、設定できる。