Echo Show10(第3世代)とEcho Show8(第1世代)を比較:値段の差はどこに出ているか

Amazon Echoの最上位機と言えるEcho Show10。それより一段下のEcho Show8と比べると、値段の開きがやたらと大きい。(Show8は10の半値くらい)もちろん、Show8の方が、あちこちの部分で性能が落ちるから安いんだけど、正確には、どこがどれだけ落ちているのか? それを、発表されている資料からピックアップした。どちらにするか迷っている時、参考にしてほしい。

※注意:このページでEcho Show10と書いてあるのは、全て2021年4月発売のEcho Show10(第3世代)のこと。Echo Show8と書いてあるのは、2020年2月発売のEcho Show8(第1世代)のこと。Echo Show8は2021年6月に第2世代が発売されている。新型のShow8(第2世代)とShow10(第3世代)の比較はこちら


Echo Show10
(第3世代)

Echo Show8
(第1世代)

Show8の画面は少し小さい、けれど、くっきり度はShow10と同じ

Echo Show8は、画面サイズが8インチだから「8(エイト)」という名前が付いている。8インチというと、小さめのタブレットPCの画面くらいで、横17.7cm×縦10cm。

対するEcho Show10(エコーショー テン)は一回り大きく10.1インチサイズ、横22.3cm×縦12.5cm。

こうやって大きさを比べると、「8」の方が低グレードに見えるけど、画面のくっきり度合いを示す解像度を比べると、「10」も「8」もまったく同じ。どちらも1280 x 800(ピクセル)だ。この数字は一応HD(高解像度)の部類に入る。

つまり、「8」の画面はちょっと小さいけど、映りの鮮明さはShowと同じ。その点で「8」は、最上位機のShow10に肉迫している、と言っていい。

ちなみにShow5(5インチ画面の最小のやつ)の解像度は低く、960×480(ピクセル)。これだと映りは粗い感じになる。「8」はそれとは違い、高画質を維持している。

Show8のスピーカーは、Show10にかなわない

Show8の音はなかなかのものだけど、Show10の方がそれより上。まず、内蔵されているスピーカーが違う。

「8」のスピーカーは2個。2インチサイズのフルレンジスピーカー×2で、ステレオだ。これに加えて、パッシブラジエーターというスピーカもどきが1個入っている。パッシブラジエーターは電気の通っていないダミーのスピーカーで、音は出さないけど、近くのスピーカーと共鳴して、低音域を増強する。

対して「10」のスピーカーは3個。1インチのツイーター(高音用)スピーカーが2個と、2.5インチのウーファー(低音用)スピーカー1個が入っている。この計3個のスピーカー構成は、オーディオ用語でいう2.1チャンネルステレオだ。

パッシブラジエーターのある「8」の低音はなかなか強力だけど、ウーファースピーカーが本当に鳴る「10」の方が、迫力が格段に上。

音量を比べると、やはり「8」より「10」が上だ。Amazonは出力ワット数を発表していないようだけど、日本より早く発売されたアメリカでは、ユーザーフォーラムなどに聴いた音量の感じがコメントされている。それによると、Show8の音量を最大(10)まで上げると音が割れる。対して、Show10の音量を最大(10)まで上げると、聴くのが耐えられないほど大音量になるが、ほとんど音割れしないという。ほとんどしないどころか、「音割れはゼロだった」と言い切るユーザーもいる。Show8に限らず、標準クラスのスピーカーなら大抵(最大音量にすれば)音割れするので、Show10のスピーカーは相当レベルが高いと言っていい。

Show8の画面は角度調節できない。一方、Show10の画面は自動でユーザーの方を向く。

AmazonがShow10のウリとしてアピールしているのが、自動的に方向を変える画面。ユーザーの人影を内蔵カメラが捉え、追尾し、いつでもそちらを向くようになっている(設定を解除しない限り)。だから、歩き回りながらでも画面が見れるし、誰かとビデオ通話するときは、こちらの姿がいつでも画面(カメラ)に映るようになる。(ただし、自動で動くのは左右の回転/350度だけ。上下角は手動で調節する)どんなふうに動くか見たいなら、YouTubeに動画がある。

これに対して、Show8の画面は固定だ。角度は変えられない。どうしても角度を変えたいときは、下に物を挟むとか、角度調節できる専用スタンドを買う必要がある。(専用スタンドは、Amazon内を「echo show 8 スタンド」で検索するといろいろ出てくる)

さて、それで、Show10の動く画面はどのくらい便利なのか? というと、あまりパッとした評判は聞かない。日本より早く発売されたアメリカでは、動く画面は「気持ち悪い」という声が結構あって、そういう人は画面を止めて(動く設定を解除して)使っている。

ただ、Show10の動く画面が絶対便利、といえる一点がある。それは、Show本体を監視・見守りカメラとして使う場合。(本体を部屋に置き、本体のカメラが映した映像を、外出先からスマホで見て、室内をチェックできる。具体的な方法はAmazonヘルプ「Echo Showの自宅モニタリング機能を使用する」を参照)Show8でこれをやると、画面(と共に内蔵カメラ)が固定されているので、狭い範囲しか映らない。一方Show10なら、画面(と内蔵カメラ)が自動で動き、350度の映像を映す。監視・見守りカメラとしては広く見えた方がいいに決まってる。(どんな感じで見えるか、は、Amazonの商品ページの下の方「外出先から部屋の様子を確認」という部分に動画がある)

Show10の内蔵カメラは格段に優れている。Show8は劣る

Show10の内蔵カメラは画素数が1300万画素(13MP)もある。これはWebカメラとしては超ハイクラス。(普通のWebカメラはよくて500万画素程度)対して、Show8は100万画素(1MP)しかない。つまり、Showのカメラに映ったものの方が、断然、くっきりはっきり映るというわけ。

ただ、「8」の100万画素だってそれほど悪くないよ。標準的なWebカメラの画素数と同程度で、一応HD(高解像度)カメラの部類に入る。

内蔵カメラを使うのは、互いの顔を映すビデオ通話のときが多い。だから、中には自分の顔をはっきり見られたくなくて、「100万画素で十分」という人もいる。

Show10はスマートホームハブ内蔵。Show8は内蔵じゃない

スマートホームハブは、Echoで家電品を操作するときに必要になるもの。Echoからの命令の電波を、家電品に届かせるための中継器みたいなものだ。

これが、Show10には入っているけど、「8」には入ってない。

ただ、必要なら、家電メーカーが別売りしてるから、それを買えばいい。(メーカーによってはスマートホームハブとは呼ばずに、スマートハブ、とか、ホームハブ、とか、ブリッジと呼んでいる)

それに、最近はスマートホームハブなしで使えるアレクサ対応家電品もたくさん出て来てるから、内蔵じゃなくてもほぼ困らないと思う。

Show8には外部スピーカーを繋ぐための音声出力ジャックがある。Show10にはない

Show10には音声出力用のジャックが無いので、ケーブルを使って外部スピーカーを繋ぐことができない。(外部スピーカーを繋ぐにはBluetoothを使うしかない。つまりBluetoothスピーカーしか鳴らせない)

けれど「8」には、音声出力用の3.5mmステレオミニジャックが付いている。(Amazonの商品ページ中にある「技術仕様」の図で確認できる)つまり、「8」の方は、ケーブルでも、Bluetoothでも、どちらでも外部スピーカーを鳴らすことができるというわけ。ケーブルを使えば、オーディオシステムのAUX-IN端子に入力して、ハイエンドのスピーカーを鳴らすことができる。

以上が、Show10とShow8の性能比較だ。これ以外の機能はどちらも変わらない。「アレクサ」と呼びかけたときに対応してくれる人工知能Alexaは、どちらも同じものなので、「10」でも「8」でも同じ質問に答えてくれる。ビデオ通話もできるし、音楽やニュースも流してくれる。Netflix(ネットフリックス)やAmazonプライムビデオも見れる。ウェブ・ブラウザも入っているので、インターネットサイトを見たり、YouTubeを見たりもできる。

ここから先は個人的意見だけど、「8」にするか「10」にするか迷ったら、住んでいる家や部屋の広さを考えるといい。広い家なら、「10」の大音量が(特にホームパーティーなんかで)役立つだろうし、歩き回りながら使う時に自動追尾してくれる画面は便利だろう。それに、「10」は「8」よりずいぶん大きく(縦23cm×横25.1cm×奥行き17.2cm)、しかも回転するので、置くスペースに余裕を取らないといけない。(Amazonは横幅38.1cm、奥行き25.4cm以上のスペースに置くことを推奨している)この点でも、使う部屋が広い方がいい。

反対に、広くない部屋で一人で使うことが多いなら、「8」だ。「10」に迫る画質の良さは大きなメリットだし、音割れするほど音量を上げる機会はそうないだろうから、機能としては丁度いい。

それに「8」の大きさは、縦13.6cm×横20cm×奥行き9.9cm。物で混雑したデスクや棚に「10」を置くのは厳しいけど、「8」なら何とかなる。

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