Echo Show10とEcho Show8を比較:価格の差は4つの違いから

2024年2月時点で最新型の、Echo Show10(第3世代)とEcho Show8(第2世代)を比較した。Show8の値段は、Show10の半分くらいだ。安いShow8は、いくつかの部分で質を落としてあるわけだけど、それがどこか、どれだけ落ちているのか、を下に挙げた。両者は見た目がまるで違うけど、中身の差は意外に少ない。

※ 以下、「Show10」と書いてあるのは、Echo Show10(第3世代)のこと。「Show8」はShow8(第2世代)のこと。単に「10」「8」と略してある場合もある。どちらも2024年2月時点で最新モデル。

Echo Show10(第3世代)

Echo Show8(第2世代)

Show8の画面はやや小さい、けれど、くっきり度はShow10と同じ

Echo Show8は、画面サイズが8インチだから「8(エイト)」という名前が付いている。8インチというと、小さめのタブレットPCの画面くらいで、横17.7cm×縦10cm。

対するEcho Show10(エコーショー テン)は一回り大きく10.1インチサイズ、横22.3cm×縦12.5cm。

こうやって大きさを比べると、「8」の方が低グレードに見えるけど、画面のくっきり度合いを示す解像度を比べると、「10」も「8」もまったく同じ。どちらも1280 x 800(ピクセル)だ。この数字は一応HD(高解像度)の部類に入る。

つまり、「8」の画面はちょっと小さいけど、映りの鮮明さは「10」と同じ。その点で「8」は、最上位機の「10」に肉迫している、と言っていい。

ちなみにShow5(5インチ画面の最小のやつ)の第1世代も第2世代も、画面解像度は低く、960×480(ピクセル)。これだと映りは粗い感じになる。Amazonは「8」の画面をそこまで落とさず、高画質を維持している。

Show8の画面は固定されている。Show10の画面は動く、しかも自動的に

Show8の画面は角度を変えられない。置いたら、そのままの角度だ。角度を変えたいときは、下に物を挟むとか、別売りの角度調整スタンドを取り付ける必要がある。(Amazon純正のスタンドがある

一方Show10は、画面がぐるりと350度回る。指で押しても回るけど、モーターが内蔵されていて、自動的にユーザーの方を向くのがウリだ。ユーザーが歩き回っても、センサー(カメラ)が姿を捉えて追いかけ、自動的にそっちを向く。ただし、縦方向の角度は手で調整する。

「8」の固定画面と「10」の自動回転画面、どちらがいいか……これはどっちとも言えない。勝手に動く「10」の画面が気持ち悪いという人もいるし、指で触れただけでフラフラ動くのが嫌だという人もいる。一方、Showの本体を見守り・監視カメラとして使うとき(方法はAmazonヘルプ「Echo Showの自宅モニタリング機能を使用する」に説明がある)、「8」だと画面と共に内蔵カメラも固定されているので、狭い範囲しか見守りできない。対して「10」は画面が自動回転して、置いた部屋の隅々まで見守れる。これは「10」の方がいい。

Show8のスピーカーはShow10にはっきり負ける

Show8とShow10の内蔵スピーカーは、構成からして全く違う。だから、素直には比べられない。

Show8はステレオで、2インチのスピーカーが2個入っている。これに加えて、低音を増強するパッシブラジエーターという装置が付いている。だから、意外なほど低音がよく出るという特長がある。ただ、最大ボリュームにすると、音が割れたり、詰まった感じになる。これがShow10より劣る点。

(パッシブラジエーターとは、電気の通っていないダミーのスピーカーのこと。実際に音を出す隣のスピーカーの低音に同調して振動するため、低音が増強されて聴こえる)

Show10もステレオだけど、こっちはスピーカーが3個入っている。低音用のウーファー(2.5インチ)と高音用のツイーター(1インチ)2個だ。ウーファーから出る音はモノラルなので、正確にはホームシアターシステムなどにも採用されている2.1chステレオということになる。

実際に音を聴いてみると、Show10のスピーカーが優れているとはっきり分かる。まず最大ボリュームがShow8より大きい。「10」を最大ボリュームにすると、近くで聴くのが苦しくなるほど大きな音が出る。「8」もパワルフだけど、そこまでじゃない。

そして、「10」の方は、最大ボリュームでも音が割れない。多少詰まった感じにはなるけど、音割れナシと言っていい。対する「8」は、まあ、大抵のスピーカーがそうだけど、やっぱり音割れする。

Show10はスマートホームハブ内蔵。Show8は内蔵じゃない

スマートホームハブは、Echoで家電品を操作するときに必要になるもの。Echoからの命令の電波を、家電品に届かせるための中継機みたいなものだ。

これが、「10」には入っているけど、「8」には入ってない。

ただ、必要なら、家電メーカーが別売りしてるから、それを買えばいい。(メーカーによってはスマートホームハブとは呼ばずに、スマートハブ、とか、ホームハブ、とか、ブリッジと呼んでいる)

それに、スマートホームハブは内蔵されていない方が普通で、例えば(筒型の)Echo第3世代以前のものやEcho Dotにも入ってない。Show5にも入ってない。最近はスマートホームハブなしで使えるアレクサ対応家電品もたくさん出て来てるから、内蔵じゃなくてもほぼ困らないと思う。

以上が、Show10とShow8の差。これ以外の機能はどちらもあんまり変わらない。自動色彩調節機能(周囲の照明に応じて画面に映る映像の色を調節し、自然な色バランスにする機能)はShow10にもShow8にも付いている。Show10は画面とともに内蔵カメラが自動回転して、ビデオ通話の時にいつでもユーザーを中央に映すようにするけど、それができないShow8には、代わりに自動フレーミング機能(カメラに映ったユーザーの姿を、デジタル処理で中央に持ってくる)が付いている。

また、「アレクサ」と呼びかけたときに出てくる人工知能Alexaは、どちらも同じものなので、「10」でも「8」でも同じ質問に答えてくれる。ビデオ通話ももちろんできるし、音楽やニュースも流してくれるし、見守り・監視カメラのモニターにもなる。ウェブ・ブラウザも入っているので、インターネットサイトを見たり、YouTubeを見たりもできる。

ここから先は個人的意見だけど、「10」と「8」のどちらにするかは、値段だけでなく、自分が住む家(あるいは部屋)の広さも考えて決めるのがいい、と思う。大音量でも音が歪まない「10」は、20畳程度のリビングの隅々まで音が届く。でも、部屋がそれほど広くなければ宝の持ち腐れ。きっと「8」の音量で十分満足できるんじゃないかな。「8」だって、80%くらいの音量で聴けば、素晴らしく高音質だ。

それに、「10」の動く画面は、ユーザーが歩き回りながら使うときに便利なもの。特に、キッチンとリビングが繋がった境目のカウンターに置くと、両サイドから、家族みんなが使えて便利だ。でも、歩き回るほどスペースがない部屋なら、「10」の動く画面はあんまり意味がない。

それにもう1つ。「10」は置き場所を取る。近くに物があると、回転する画面に引っかかってしまう。だから、本体サイズより広い空間が必要だ。(アマゾンは、最低でも幅38cm×奥行き25.4cmのスペースを取るように、と言っている)一方、画面固定の「8」は(幅20cm x 高さ13cm x 奥行9.9cm)、物で混み合ったデスクや棚などにも、何とか置ける。この点でも、「10」は広い部屋に、「8」は広くない、あるいは狭い部屋に適している。

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