はじめてのスマート電球、どれがいい? 選び方と数個のおすすめ

アレクサ対応のスマート小物デバイスを、いろいろ試してきた。そんな中で、選び方のコツ、というか、チェックポイントみたいなものが分かってきたので、シェアしようと思う。今回はスマート電球の選び方と、具体的なおすすめを何個か。

「アレクサ、電気つけて」で点く電球は、普通の電球じゃない。ちょっとハイテクな回路が仕込んである、スマート電球だ。こいつは普通のLED電球や蛍光灯とは、(見た目は同じだけど)中身がすごく違う。そして選び方も、普通の電球とは違う。

スマート電球の選び方

スマート電球を選ぶとき、電球以外に、どうしても知っておかなきゃいけないものが1つある。それは数センチ四方の小箱で、ブリッジ、あるいはハブ、あるいはスマートハブ、あるいはスマートホームハブと呼ばれるもの。(メーカによって呼び方がまちまち、統一されてない。ここでは、まとめてブリッジと呼ぶことにする)

このブリッジは、Echo/アレクサとスマート電球を繋ぐ、無線中継器。これがないと、アレクサと電球は繋がらない。つまり、「アレクサ、電気つけて」をやるには、スマート電球以外にも、このブリッジが必要というわけ。

ところが、ちょっとややこしいけど、ブリッジ不要のスマート電球もある。ブリッジ不要の電球は、Echoがもともと使っているWiFi電波を利用してアレクサと繋がるようになっている。だから中継器は使わない。

じゃあブリッジ不要の方がいいじゃないか、となりそうだけど、そうでもないんだ。それぞれに利点があり、選び方にも関わってくる。だから、まずは、スマート電球に2種類あるということ——要ブリッジタイプとブリッジ不要タイプがある——ということを頭に入れた上で、以下の「選び方」を読んでほしい。

1. 家の中に全部で何個くらいのスマート電球をつけたいか?

まずこれを決める。すると、要ブリッジタイプとブリッジ不要タイプの、どちらがいいか決まってくる。

寝室に1〜2個、家の中に全部で4〜5個程度のスマート電球を付けるなら、ブリッジ不要タイプがいい。ブリッジは1個5〜6千円程度するんだけど、これを買わなくてよくなるから経済的だ。ブリッジを設定する手間も省けるし、ブリッジのための電源コンセントを確保する必要もなくなる。

6個以上の沢山の電球をスマートを付けたいなら、要ブリッジタイプがいい。ブリッジ不要タイプだとWiFi電波を使うので、数が多くなると家のWiFiネットワークに負担をかける。そうするとインターネット接続が不安定になったりして、あまりいいことがない。対して要ブリッジタイプの電球は、ブリッジから発信される独自の電波で繋がるから、家のWiFiにほとんど負担をかけない。

そしてもう一つ、スマート電球を沢山付けるなら、予算的にも要ブリッジタイプが有利。要ブリッジタイプは、ブリッジ不要タイプに比べて、電球1個あたりの値段が(大体において)安いからだ。ブリッジの値段を勘定に入れても、ブリッジ不要タイプの電球を沢山買うより安くつく場合は多い。

なお、ブリッジは1つあれば十分だよ。1つのブリッジに、50個程度の電球を繋げられる。

あと、Echoシリーズの中には、ブリッジ(=スマートホームハブ)が内蔵されているものがある。それはEcho 第4世代とEcho Show10だ。これらを使うなら、ブリッジを買い足す必要はないよ。(ただ、別売ブリッジがあっても構わない。内蔵ブリッジを使わず、そっちを使うこともできる)

2. Echo/アレクサでできないことをチェックしよう

スマート電球は、ものすごくいろんなことができるようになっている。オン/オフや、明るさ調節はもちろん、タイマー機能や、光の色を変えたり、生活時間帯に合わせて光のタイプを変えたり、と……出来ることの多さは普通の電球の比じゃない。

けれど、こうした機能をフルに使えるのは(電球のメーカーが提供する)スマホアプリで操作するときだけなんだ。Echo/アレクサからの操作じゃ出来ないことが意外に多い。だから、買う前に、何が出来ないかをチェックしておいた方がいいよ。期待を膨らませて、後から失望しないで済むからね。

アレクサで何が出来るか(出来ないか)は、通販のページなどをみると、たいてい小さい文字でどこかに書いてある。書いてないときは、電球のメーカーのサイトに行けば必ず載っている。

3. 明るさや、口金サイズの確認も忘れずに

初めてスマート電球を買った時、スマートな機能に目を奪われて、僕は明るくない電球を買ってしまった。で、部屋が薄暗くなってしまった。同じような失敗はしないでほしい。

スマート電球は全てLED電球なので、明るさは「ルーメン」で表示してあるか、白熱球の何ワット(W)相当かで表示してある。通販なら商品ページで、店頭ならパッケージをよく見て、必要な明るさのものを買おう。明るさ60W相当は、約800ルーメンになる。

また、ソケットのネジのサイズ(口金サイズ:E26とかE17とか。通常の電球はE26)を確認するのも、一応忘れずに。今使ってる電球と同じじゃないと、ソケットに入らない。

お勧めの4つ

オンラインストアを見ると、たくさんのスマート電球があって、どの商品ページでも「これがベスト! 簡単、便利」とアピールされている。でも、実際のところそうじゃないものは多い。ひどい時には、言ってることの半分もできない粗悪品に当たることもある。

ここでは、セットアップが本当に簡単で、アピールされている機能が本当に機能する、入門者向けのスマート電球を紹介するよ。

Philips Hue ホワイト スターターセット

Philips(フィリップス)社は、何種類ものスマート電球を出している。そして、どれもEcho/アレクサと相性がいい。この「Philips Hue (フィリップス ヒュー)ホワイト スターターセット」は、その中で一番シンプルな入門者向けのもの。スマート電球2個とブリッジ(=スマートホームハブ)がセットになっている。Amazonでも買えるよ。今ある電球をこれに替えると、アレクサに声で命令してオン/オフと、明るさの調節ができるようになる。光の色は変えられない(白だけ)。光の色を変えたいなら、下に紹介する「Philips Hue フルカラー スターターセット」がいい。

Echo 第4世代、Echo Show10、Echo Show 第2世代、Echo Plusにはブリッジが内蔵されているから、このセットじゃなく、電球の単品「Philips Hue ホワイト」だけでいい。

Philips Hue フルカラー スターターセット

このセットは値段が高いけど、スマート電球でできることが全て盛り込まれている。オン/オフと明るさ調節に加えて、電球の光の色を、声の指示やスマホアプリの操作で赤、青、黄、その中間のどんな色にも変えることができる。「南国の夕暮れ」とか「北極のオーロラ」とかの色指定もできるよ。他にも、タイマーをセットしてちょうど朝日が昇るように徐々に明るくしたりとか、夜は自動的にオレンジがかった色合いにしたりとか、外出中でも在宅を装うために間欠的にオン/オフしたりとか、TVモニター連動のサラウンドライティングになったりとか……とにかく、他のどのメーカーのものより多才だ。予算に制限がないなら、これが一番楽しめる。具体的に何ができるかは、Amazonの商品ページにある写真や動画を見ると感じがつかめる。

LIFX Mini

この「LIFX Mini(ライフエックス ミニ)」は、WiFiでアレクサと繋がるブリッジ不要タイプ。要ブリッジタイプと比べると、設定がとても簡単だ。ちなみにLIFXというブランドは、WiFiを使うブリッジ不要タイプのスマート電球で定評がある。

商品名が「Mini(ミニ)」となっているのは、電球そのもののサイズが小さめだから。WiFiを使うスマート電球は一般的にサイズがやや大きく、照明器具が小さいとカバーがつかえたり、逆に傘の外に突き出てしまうことがあるけど、この「LIFX Mini」ならその心配がない。小さくても明るさは60Wの白熱球と同じ800ルーメン。口金(ソケットのネジ)のサイズも、標準的なE26(直径26mm)だ。

アレクサに声で命令して、「Philips Hue フルカラー」電球に負けず劣らずいろいろなことができる。オン/オフや明るさを変えるのはもちろん、光の色を変えたり、これらのことをあらかじめプログラムして時間に応じて自動的にやらせたり……さらには、ロウソクの炎を真似した「ちらつき」や、チカチカと高速点滅する「ストロボ」といった遊びのモードも付いている。値段がちょっと高いけど、ブリッジ不要タイプならこれがいい。安心だし、満足できる。Amazonでも売られているよ。

「LIFX Mini」のシリーズには、フルカラーじゃなく色温度(温かい感じ↔︎冷たい感じ)だけが変わる「LIFX Mini Day & Dusk(デイ&ダスク)」や、ただの白色光(明るさは変えられる)の「LIFX Mini White(ホワイト)」があり、こちらはフルカラーより値段が安い。

Sengled スマートLED電球


Sengled(セングルド)のスマートLED電球シリーズは、予算を節約したい人にお勧めできる。光の色が白だけの(変わらない)タイプなら千円台から、フルカラーで色が変わるタイプでも2千円台からある。

また、WiFi電波やBluetoothを利用するブリッジ不要タイプだから、設定が楽だ。Amazonが、使い勝手がいい、と太鼓判を押す『Certified for Humans』の商品として認定されているよ。スマート電球に不慣れな入門者にもちょうどいい。

(※ 『Certified for Humans』はAlexa対応デバイスを対象としたAmazonの認定制度。「セットアップ、ユーザビリティ、パフォーマンス」の全てにおいて「簡単、調整不要、ストレスフリー」である製品が認定される。Amazonのデベロッパー向け資料より)

Sengledのどの電球も、タイマー設定や生活シーン・時間帯に応じた色や光量の自動調節など、スマート電球として基本的なことが全部できる。ただ、Philips Hue 電球ほどキメ細かな機能はないけどね。

フルカラーなら「Sengled スマートLED電球」、太陽光に近い白なら「Sengled スマートLED電球 昼白色」、温かみのある白なら「Sengled スマートLED電球 電球色」がAmazonで売られている。