Echoの音質に関する3つの意見—アマゾンEcho 使い方いろいろ(第4回)

Echoのスピーカーの音質はどの程度のレベルか。これは、アメリカで発売当初から、ユーザーフォーラムやSNSで話題になっていた。いろいろ意見があったけど、まとめると、大事なポイントは3つ。連載「アマゾンEcho 使い方いろいろ」4回目の今回は、音に関する多数派の3つの意見をご紹介。

※注 ここでいうEchoは、スタンダードタイプのEchoのこと。小型のEcho Dotではない。

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Boseとの比較

Bose(ボーズ)のスピーカーは、音が良いことで有名だ。上級オーディオマニアならたいてい持っている。ところで、そんなマニアもEchoを購入していて、(アメリカの)ネット上にはEchoとBoseを比較した意見がたくさんある。

で、どちらの音がいいか、というと、明らかにBose>Echo。Boseが上というのが、ほぼ一致した意見だ。Boseは低音の迫力が大きな特徴。Echoも低音がよく出ると評判だが、さすがにBoseには及ばない。この点でEchoは大きく負けている。「もし音の良さが何より大事と思っているなら、Echoには失望するだろう」と言う人もいるが、僕も個人的にそう思う。

ただ、オーディオマニアがいつもBoseで聴いているかというと、そうでもない。本腰を入れて聴くときはBose、日常的に聴き流すような曲はEcho、と、使い分けている人が多い。ユーザーフォーラムでは、あるオーディオマニアが、日常使いのスピーカーとしてEchoを褒めていた。「音がクリアで、一般のスピーカーとしてはいいもの」だと言っている。「これまでに使ったBluetoothスピーカーの、一番いいものと同じか、それ以上」と、Echoを高く評価する人もいる。

ステレオではない

Echoの音はモノラル。ステレオではない。これはアマゾンの商品ページに書かれていないので、買った後に知って、衝撃を受けているユーザーが結構いた。

つまり、ステレオで聴くような立体感や臨場感は、Echoでは得られないということ。「オーケストラ曲のような広がりのある曲には不向きだ」という意見があった。

※注 2024年2月現在、Echoシリーズの中でステレオなのはEcho Show10、Echo Show8、Echo Studioの3つ。スタンダードなEchoとEcho Dot、Echo Pop、Echo Show5はどれもモノラルだが、ステレオ対応の外部スピーカーを繋げばステレオで聴けるようになる)

最大ボリュームでも音割れしない

大多数のユーザーが、Echoのコンパクトなサイズに似合わない音の大きさに驚いている。しかも、ボリューム最大にしても音が割れない点を褒める人が多い。「広い部屋で使うにも十分」という意見が大勢を占めている。

実際聴くときに最大ボリュームにすることはほとんどなく、たいていのユーザーは、50%くらいのボリュームで聴いているという。そうすると、何がいいか、というと、スピーカーに余力がある状態で聴ける。すると、それだけ音は良くなる。

Bluetoothスピーカーの場合、大抵のものはボリューム最大にすると音割れしてしまう。性能が悪いのでなく、それがむしろ普通だ。実は、Boseのスピーカーでも、ポータブルタイプの安い機種になると、音割れすることがある。こういうことを考えると、音割れしないEchoは大したものだと言っていい。

音には好みもあるし、感じ方は人それぞれ。Echoの音の評価もいろいろだ。しかし、Boseよりは下、モノラル、音割れしない、という多数意見をまとめると、「Echoは本格的な音楽鑑賞には向かないが、日常的に音楽を聴くには高性能のスピーカ」と言っていい。

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