高齢で視力が落ちた父の情報源にーアマゾンEcho 使い方いろいろ(第10回)

Echo/アレクサに、決まった使い方なんてない。みんな自分の都合に合わせて使っている。僕がアメリカで見聞きしたり、ユーザーフォーラムで読んだ実例を、読み物風に紹介しようと思う。今回はその10回目、目が悪くてパソコンを使えない父親にEchoを贈った、Aさんの場合。

全26回『アマゾンEcho 使い方いろいろ』連載目次→

Aさんの父は、知識欲が旺盛だ。昔から、世の中の情報を何でも知りたがり、今もそれは変わらない。ただ、残念なことだけど、今は歳のせいで視力が落ち、情報源であるテレビを見てもボヤけてしまい、本を読むのも難しくなっている。

そんな父に、以前Aさんは、パソコンやタブレットを買ってあげた。文字を大きく表示すれば、いろいろな情報を調べられる……と考えたからなんだけど、父親には操作が難しかったらしく、使わないまま結局は放ったらかしになった。

しばらくして、AさんはEchoを1台買った。特に目的があってのことじゃなかった。単に広告につられた、とAさんは言っている。けど、だ。それを使ううちに、「父のためにいいんじゃないか」と思うようになったそう。Echoは全ての操作を、アレクサとの声のやり取りでする。だから、視力が弱くても関係ない。

それでAさんは、もう1つEchoを買い、父にプレゼントしたというわけだ。

結果はどうだったかというと、父親は、知りたいことを、片っ端からEcho/アレクサに尋ねているらしい。具体的には、天気情報、最新ニュース、スポーツの試合結果を、しょっちゅうリクエストして聞いているという。また、分からない単語の意味を知りたいときは、Echoを辞書代わりに使い、何か計算したいときは、電卓代わりにしているのだそう。

「こういうことを、声のやり取りだけでできるのがEchoのいいところ。目の悪い父も、誰かと会話するように、自然に、問題なく使っている」とはAさんの言。

もちろん、全ての質問にアレクサが答えられるわけではないが、「ほとんどの質問にアレクサは答えている」とAさん。

音楽を聴くときにも、Echoなら都合がいい。オーディオ機器のボタン操作は、視力が弱ったAさんの父にはつらいものがある。だが、Echoなら、声で曲を選べるし、早送り、スキップなど、オーディオプレーヤーと同じことができる。「父は声でリクエストして、聴きたい曲を片っ端から聴いています」とAさん。

(※注 こんなふうに、リクエストした曲をEcho/アレクサに探させたりするには、音楽配信サービスに入会しなければいけない。これには有料と無料がある。無料だと強制的に広告が流れる。Aさんが入っているのはAmazon ミュージックの有料版「Unlimited」。Amazon以外の音楽配信もEchoで使える。詳しくは本ブログ『Amazon Echoで聴ける有料音楽配信サービスを比較』を参照のこと)

Echoのおかげで、視力の弱い父親の暮らしが快適になった。それを目の当たりにしたAさんは、周囲の人たちにこう言っている。

「あなたの近くに高齢で目が悪くなっている人がいて、何かを贈ってあげようと考えているなら、Echoをお勧めします」

全26回『アマゾンEcho 使い方いろいろ』連載目次→