車椅子の夫にはEchoが欠かせないーアマゾンEcho 使い方いろいろ(第12回)

Echo/アレクサに、決まった使い方なんてない。みんな自分の都合に合わせて使っている。僕がアメリカで見聞きしたり、ユーザーフォーラムで読んだ実例を、読み物風に紹介しようと思う。今回はその12回目、車椅子の夫を持つFさんの場合。

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Fさん夫妻は、Echoが世の中に登場した時から使い続けている。夫は、その前からずっと車椅子生活だった。数週間入院することがあり、それ以来だと言うから、きっと何かの事故に遭ったんだと思う。

2015年にEchoを買った2人は、まず、家の電球をPhillipsのHue電球に交換し、Echoでコントロールできるようにした。また、アレクサ対応のスマートプラグを買って、家電品のオン/オフもEchoでできるようにした。もちろん、夫のためだ。

家でも車椅子で移動する夫は、電気を点けるのにスイッチのところに行くのがまず大変。テレビを点けるのだって、リモコンのある場所まで行くのが大変。万一リモコンが見つからなければ探すわけだけど、それだって、普通の人みたいにあちこち動けない。でも、Echoがあれば、スイッチなんか不要だ。電気も、テレビも、他にも家電品のオン/オフが、声を出すだけでできるようになる。

(※注 Echoを家電品と組み合わせて使うと、家電品を声で操作できる。具体的にどんなことができるか、や、どんな家電品と組み合わせられるかは、アマゾンサイト内の『スマートホームをはじめよう』ページに、わかりやすく書かれている)

家電品の操作以外でも、Fさんの夫はEchoを愛用している。Echoで好きな音楽を聴いたり、ニュースを聴いたり、天気予報を聴いたりしている。「こういうことも、夫がEchoを気に入っている理由です」とFさんは言う。また、夫の気分が落ち込んでいるときは、Fさんがアレクサにジョークを言わせたりもしているそうだ。アレクサの言うジョークは、大して面白くないんだけどね。

Fさんの夫は、こんなEchoを、四六時中そばに置いておく。まあ当然そうなると思う。昼はリビングルームで使い、夜はベッドルームに移動させて使っている。移動の際、重い電源アダプターを一緒に運ぶのは面倒なので、ベッドルーム用にもう1つ、別売りの電源アダプターを買ったそうだ。

(※注 電源アダプターを複数使うEchoユーザーは多い。実は僕もやっている。アマゾン純正の別売電源アダプターがちゃんと売られていて、アマゾンサイト内を「Echo 電源アダプタ」で検索すると見つかる)

ところで、ここまで読むと、Echoは「夫専用」のように思えるよね。でもそうじゃない。部屋に置いたEchoは、誰が声をかけても働いてくれる。夫に限らず誰でも使える。Fさん自身もEchoでインターネットラジオを聞いたり、Amazonミュージックで作った自分用のプレイリストを聴いたりしているというし、一緒に暮らす孫娘も、よく算数の宿題の答え合わせをアレクサでやっているそうだ。(実はアレクサに答えを教えてもらっているらしいけど)

(※注 音楽のプレイリストを作って聴くには、Echo/アレクサと連携できる音楽配信サービスに入会する必要がある。代表的なものはAmazonミュージックだけど、他社の音楽配信でも、アレクサに対応していれば大丈夫)

ただそれでも、夫の援助者として、Echoが重要であることに変わりはない。Fさんは、自分たちのEchoの使い方について、こんなことを言っている。

「Echoのせいで暮らしが劇的に進歩したとは思いません。でも、私たち夫婦の生活が、一般人と同じ普通の生活に近づいたことは確かです。普通の人はEchoの便利さや楽しさに惹かれて使っているのかもしれませんが、夫にとってEchoは生活必需品になっています」

ちなみに、夫が診てもらっている作業療法士さん2人とケアマネージャーさんに、FさんがEchoのことを話したところ、3人とも自分が担当する患者さんたちに勧めていたそうだ。

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