Echoは従順なメイドみたいーアマゾンEcho 使い方いろいろ(第24回)

Echo/アレクサに、決まった使い方なんてない。みんな自分の都合に合わせて使っている。僕がアメリカで見聞きしたり、ユーザーフォーラムで読んだ実例を、読み物風に紹介しようと思う。今回はその第24回。「家にEchoがあるということは、メイドさんを雇っているようなもの」という女性ユーザー・Mさんの場合。

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Mさんは、Echo/アレクサを使い始めて、いろいろな指示を声でできることに驚いた。これまでの機械は、オーディオ製品でも洗濯機でもそうだけど、自分でボタン操作しないといけない。Echoは違う。聞きたいことがあれば声で尋ねる。やってもらいたいことがあれば、声で命令する。だから、面倒な操作にわずらわされない。Mさんはこのメリットを、「メイドさん」と言っている。

彼女は、具体例として、音楽を聴く時のことを挙げる。

「Echoならいちいち手を伸ばして機械の操作をしなくていいから、音楽を聴くのが前より楽しくなった」と言うMさん。Echoは一般の音楽プレーヤーと違い、ボタンを押してスイッチを入れる必要はないし、音量の上げ下げにもボタン操作はいらない。選曲するにも、機械に触れる必要はない。全部、自分がいる場所からアレクサに声をかけるだけだ。ちょうど、メイドさんに言って曲をかけてもらうような気軽さがある。だから、「以前よりたくさん音楽を聴くようになった」と彼女は言う。

(※注 音量を変えるには「音量を上げて/下げて」とか「音量5にして」というようにアレクサに指示する。選曲は、アーティスト名やジャズ、ロックといったジャンル名や、「静かな曲を」とか「人気のある曲」といった曖昧なことを言っても、アレクサがそれなりに選曲した曲を流す。ただし、これをさせるには、アマゾンミュージックなどの音楽配信サービスへの入会が必要)

Mさんは読書家で、紙の本だけでなく、オーディオブックもよく聞く。オーディオブックなら、目で文字を追わなくても、寝転がったりしながら本の朗読を聞ける。だから気軽に読める(聞ける)し、とても楽だ。ただ、基本的にスマートフォンアプリで聞くものなので、ボタン操作が必要になる。MさんはこれをEcho/アレクサで聞いて、ボタン操作を省略している。するとどうなるかというと……

「オーディオブックの音声を再生させておいて、何か用事ができた時は、部屋を出ながら口で言うだけで(アレクサが)音声を止めてくれる。聞き逃した部分があれば、口で言えばその部分を再生してくれる。オーディオブックを途中で止めて、(アレクサに)天気予報を教えてもらってから、またオーディオブックの続きを聞く、なんてこともできるのよ」

ちょうどメイドさんに本を読んでもらっているような感じになるそうだ。

(※注 Echoで聞けるオーディオブックは、アマゾン系列の「Audible(オーディブル)」だけ。それ以外の会社から出ているオーディオブックは、アレクサに対応していない)

多くのユーザーがやっているように、Mさんも、アレクサにメモを取らせたり、予定表に予定を書き込ませたり、ネットのニュースを読み上げさせたりしている。そんなこんなでアレクサを使った結果、「アレクサを家に置くのは、こまごましたことをやってくれるメイドさんを雇っているようなもの」、という彼女なりの結論に至ったそうだ。

そして彼女は、優柔不断な性格の人に、Echo/アレクサを勧める。

「特に、人に何かを頼むとき優柔不断で、1度指示したことを後からコロコロ変えるタイプの人は、Echoがあるといいんじゃないかな。本物のメイドさんなら怒り出すだろうけど、アレクサは絶対に怒らないから。何百回言う事を変えても、必ず応対してくれる」

最近、彼女は、(紙の)本を夢中で読んでいて、部屋が薄暗くなったのに気づかないことがあった。立ち上がって電気をつけに行こうとした時、ふと、「アレクサにやらせれば簡単だ」と思ったそう。これは電球をアレクサ対応のものに取り替えればできる。本を読みながら、アレクサに「電気つけて」と声をかければ、照明を点けてもらえるようになる。今、Mさんは、照明や家電品をアレクサに操作させて、ますますメイドのように使うことを考えている。

(※注 アレクサ対応の電球は、アマゾン内の「スマート照明」部門で売られている。アレクサに操作させるための入門知識は、アマゾン内の「スマートホームをはじめよう」ページにある)

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