【Amazon Echo Show 10レビュー】全て備えた最上位機


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これを買う理由

  • 自動で動く画面が便利
  • 音がいい(特に音量大のとき)
  • スマートホームハブ内蔵
  • 本体そのものが見守り・監視カメラになる

買うのを見送る理由

  • 置き場所を取る
  • 画面のガラスが光を反射しやすく、明るい場所で見づらいことがある

タッチスクリーンとカメラのおかげで、出来ることが格段に広がるスマートスピーカー。それがEcho Show10です。

他のEcho機種と同じように、人工知能アレクサに声で命令して、いろいろな仕事をやらせられます。そのうえ、画面なしのEcho機種では出来ないこと——例えば相手の顔を見ながらビデオ通話したり、ネットフリックスやAmazonプライムビデオを見たり、料理レシピを見ながら料理したり、も、Echo Show10ならできます。

声でアレクサに命令するだけでなく、画面(タッチスクリーン)でタブレットパソコンのように操作できることも、Echo Show10の使いやすい点です。

デザイン

Echo Show10は、直径17.2cmの俵(たわら)型の胴体に、10.1インチサイズの画面が繋がった形をしています。(画面部分全体の寸法は縦23cm×横25.1cm)胴体にはスピーカーが入っており、周囲はソフトなポリエステル製ファブリック(布)で覆われています。画面パネルはつるんとしたプラスチックです。

胴体と画面パネルを繋ぐ首(継ぎ手)の部分は、プラスチックに見えますが、中に金属が入っています。壊れやすいかと思い、押したり引いたり、画面だけを持って振り回したりしてみましたが、ガタつくこともなく、頑丈にできていました。

色は2色。黒(チャコール)と白(グレーシャーホワイト)を選べます。このレビューでは黒を使いました。

画面パネルの上部中央には、3つの操作ボタンがついています。1番左の「∅」印ボタンは、内蔵マイク&カメラをon/offするボタン。これを一度押すと、マイクもカメラも機能しなくなり、プライバシーを守れます。右側の「−」「+」ボタンは音量上げ下げのボタンです。

薄い画面パネルの上にボタンがある

その右にもボタンのようなものがあります。これは「カメラカバー」。スライドさせて、カメラのレンズの前にある小窓(カメラカバー)を開け閉めします。窓を閉めるとレンズの前が塞がれるので、こちらの様子はカメラに映らず、プライバシーを守れます。

レンズの前の小窓が開閉する

動く画面

「アレクサ」と声をかけると、Echo Show10は待機状態から目覚めて、画面が自動的にユーザーの方を向きます。どういう仕組みでそうなるかというと——まず内蔵マイクでアレクサが声の大体の方向を推測し、そちらに画面を向け、内蔵カメラで人影を探します。カメラが人影を捉えると、その人が画面の真ん中に来るように動きを調整します。このときカメラに映るのは(Amazonの報道向け資料によれば)人型の輪郭だけとのこと。顔認証ではなく、個人は特定しません。

カメラがユーザーの姿を一度捉えると、後は歩き回っても、その方向に画面が自動で向きます。ただし、自動で動くのは左右の回転だけ。画面の上下角(傾斜)は自動でなく、手で調節します。

画面が自動でこちらを向くので、何かをやりながら使える(見れる)のが便利です。例えば、誰かとビデオ通話で長話になっても、同時にちょっとした雑用を済ませられます。料理する時はあちこち動き回るものですが、いつでも画面に映ったレシピを確認できます。オープンタイプのキッチンカウンターに置けば、いちいち手で向きを変えなくても、キッチン、リビングの両側から使えます。

また、Echo Show10の本体を見守り・監視カメラとして使うときも、動く画面が役立ちます。本体を部屋に置き、本体のカメラが映した映像を、外出先からスマホで見て、室内の様子を見守り・監視するのですが(具体的な方法はAmazonヘルプ「Echo Showの自宅モニタリング機能を使用する」を参照)、画面(と一緒に内蔵カメラ)が固定された機種だと、狭い範囲しか映りません。けれど、Echo Show10なら、画面と内蔵カメラが動いて350度の広い範囲を監視できます。

動く画面には、ちょっとした難点があります。画面(タッチスクリーン)にタッチして操作したり、画面パネルの上にある音量調節ボタンを押そうとするときに、動いたこちらの姿をカメラが追ってしまうため、画面がふらつきます。また、ユーザーの近くに他の人がいると、アレクサが混乱するようで、画面が関係ない方へ向いたりします。これは、買う前に分かっておいた方がいいでしょう。

画面の自動回転は止められます。手っ取り早いやり方は、カメラカバーを閉じること。こうするとカメラが人影を追えないので、動きは止まります。もう1つのやり方は、スマホのアレクサアプリや、本体画面からのタッチ操作で、動かない設定にすることです。「モーションをオフにして」と声で命令してもかまいません。

ちなみに、画面が動くと、本体内部のスピーカーも一緒に回転します。なので、音はいつもユーザーの方向に向かって出ます。

画質

Echo Show10の画面サイズは10.1インチ、解像度は1280×800ピクセル。これは、Googleから出ているライバル機種「Nest Hub Max」と同じです。(正確にはNest Hub Maxの画面は数ミリ小さい)最先端の4Kディスプレイではありませんが、解像度としてはハイビジョン/HDの部類に入ります。

映画のビデオをいくつか観てみましたが、色が明るめに出るのと、はっきりした明暗のコントラストがShow10の特徴と言えるでしょう。

画面のガラスが光を反射しやすいことが気になります。特に、照明の真下で、画面を倒して使うと、反射で見づらいことがあります。反射を防ぐための専用フィルムが売られており、Amazonサイト内を「Echo Show 10 反射防止 フィルム」で検索すると見つかります。

音質

Echo Show10には、3個のスピーカーが内蔵されています。1個は低音用のウーファースピーカー(2.5インチ/直径約6cm)、これは音が広がるように上向きに付いています。そして、高音用のツイータースピーカー(1インチ/直径約2.5cm)が2個、これは前方(画面のある方)に向かって付いています。画面とともにツイーターも(内部で)回転し、いつでもユーザーに向かって音を出します。

ウーファー+ツイーター2個という構成は、ライバル機種のGoogle Nest Hub Maxと同じです。どちらも2.1チャンネルステレオです。両者を聴き比べると、Nest Hub Maxは中・高音域が柔らかい(悪く言えば、こもった)感じですが、Echo Show10の中・高音域はハッキリ(悪く言えば、尖って)聴こえます。

いろいろな楽曲を聴くと、アコースティックギターやエレキギターの音が特にクリアなのが印象的でした。また、音量を上げると、ベースやバスドラムの低音がよく響いて、j近くの物がビリビリと震える程でした。

特筆したいのは、音量を最大(10)にしたときの音の良さです。近くでは聴いていられないほどの音量になりますが、音に歪みや割れがほとんど(曲によってはまったく)ありません。普段音楽を流しっぱなしにしておくには、広いリビングで音量50%〜60%くらい、仕事部屋や寝室など静かな場所では、音量40%くらいで十分です。

タッチスクリーン操作

Echo Show10は、声の命令だけでなく、画面に触れても操作できます。これは、次のようなときに便利です。

プライムビデオを観たいとき、声で「プライムビデオをみせて」と命令します。すると、映画やドラマの一覧が表示されるので、画面をスクロールしながら観たいものを選べます。最初から観たいタイトル名が分かっていれば、声で指定することもできます。

料理の作り方を知りたいとき、例えば「豚肉のレシピを教えて」というふうに命令します。すると、写真付きの料理一覧が表示され、タッチでレシピを選べます。レシピ(作り方)は音声の読み上げだけでなく、文字でも表示されるのでしっかり確認できます。短い作り方動画が見れる場合もあります。手が濡れているときは、タッチでなく、全てを声で命令できます。

他にも、画面の回転角度やスクリーンの明るさなど、本体機能のほとんどを画面タッチで設定できます。タイマー/アラームの設定や、音質の調整(イコライザー)などもできます。

ビデオや動画を見る

Echo Show10で、Netflix(ネットフリックス)、Amazonプライムビデオ、ひかりTV、Paravi(パラビ)が観れます。

ただ、これは個人的意見ですが、Show10の画面はテレビと比べて遥かに小さいく、臨場感がありません。映画などの世界に浸って鑑賞したいときは、やはり大きなモニターで観るに限ります。

YouTubeの動画も、Echo Show10で見れます。「ユーチューブを見せて」と命令すると、ウェブブラウザが自動的に起動し、YouTubeのサイトを開いてくれます。あとはパソコンやスマホと同じように、画面タッチで再生します。

ビデオ通話

あなたのところにEcho Showのどれかの機種があって、話したい相手のところにもEcho Showのどれかがあれば、顔を見ながらのビデオ通話ができます。その2台が同じ家の中にあっても、遠く離れた別々の家にあっても、できます。このビデオ通話は、スカイプやLINE通話と同じくネット回線を通しているので、両者の距離は関係ありません。通話料もかかりません。

また、Echo Showとスマートフォン(Alexaアプリが入ったもの)の間でも、同様のビデオ通話ができます。

話したい相手が画面なしのEchoやEcho Dotを持っている場合、通話はできますが、こちら(Echo Show側)に映像は映りません。

相手にこちらの映像を見られたくないときは、もちろん、Echo Showのカメラをoffにできます。

ビデオ通話のときに、あなたの姿を映すのは、13メガピクセル(1300万画素)の内蔵カメラ。これは標準的なWebカメラより遥かに上で、ライバル機であるGoogle Nest Hub Maxのカメラ(6.5メガピクセル)と比べても2倍の画素数です。

今のところ、日本ではEcho機種同士のビデオ通話しかできません。アメリカでは一足早くEcho—Skype(スカイプ)のビデオ通話ができるようになっています。近いうちに日本でもできるようになる、と、公式発表されています

家電品を操作する

Echo Show10には、家電品を操作するのに必要なスマートホームハブが内蔵されています。

そのおかげで、Philips Hue(フィリップス ヒュー)電球などを点けたり消したり、すぐに操作できます。本来なら別売りのスマートホームハブを買う必要がありますが、Echo Show10ならその必要がありません。

ただし、Echo Show10のスマートホームハブは、Zigbee(ジグビー)という電波用のもの。それ以外の電波(Z-wave、AllSeen)に対応した家電を操作する場合は、通常通り、別売りの専用スマートホームハブが必要です。

評定

自動回転する画面、そのサイズはEcho Showシリーズ最大、そして大音量でも歪まない音——こんな特長があるEcho Show10は、広いリビング、ダイニング、あるいはオープンフロアの家で使うのに最適です。デスクなどに置くときは、画面が動く分だけスペースに余裕を取ることをお勧めします。(Amazonは、最低でも幅38cm×奥行き25.4cmのスペースを推奨しています)

個人的に少し心配なのは故障です。他の画面付きスマートスピーカーと違って、Echo Show10にはモーターや動く部品が使われています。なので、長期間使ったときにどうなるかはよく分かりません。また、落としたときに壊れやすいのでは、という気もします。メーカー(Amazon)の保証は1年ですが、「延長保証プラン」もAmazonにあります

こんな人にお勧め

  • 現在手に入る最高ランクを求める人
  • 家の広い人
  • ビデオ通話をよくする人(動く画面が便利)

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