Echo/アレクサに、決まった使い方なんてない。みんな自分の都合に合わせて使っている。僕がアメリカで見聞きしたり、ユーザーフォーラムで読んだ実例を、読み物風に紹介しようと思う。今回はその17回目、一人暮らしの女性フリーランサーBさんの場合。
Bさんは、自宅で仕事をしているフリーランサーだ。仕事の内容は言ってくれないのだけど、仕事の関係であちこちに旅行するのだそう。彼女は積極的で、歯に衣を着せないところがある。だから、週刊誌か何かの取材記者じゃないかと僕は勝手に思っている。
BさんがEchoを買ったのは、「正直言うと、一度試してやるだけのつもりだった」。少し使ったら返品してやる気だった、と言っている。ところが、実際、返品なんかしていないんだ。今もずっと使い続けている。
活動的なフリーランスの生活スタイルに、Echo/アレクサはうまくハマる。それで彼女は使い続けているらしい。実際どう使っているかを聞かせてもらった。
まず、朝起きて、淹れたコーヒーを飲みながら、彼女はその日の予定をアレクサに尋ねる。予定は、あらかじめネット上のカレンダーに書き込んだものなんだけど、アレクサはそれを読み上げてくれる。その日仕事で会う人があれば、名前も言ってくれる。
次に彼女は、Echoでニュースを流す。アレクサは、ネット上からニュースを集めて、その要約を教えてくれる。だから、短時間で大事な情報を収拾できる。
その後は、少しリラックスする時間だ。彼女がいつも聴いているラジオ番組があるので、アレクサに言って、それをしばらく流してもらうことにしている。番組が終わったらクラシック音楽に切り替えて、気持ちを落ち着けてから仕事に取りかかる。クラシック音楽は、そのまま仕事のバックグラウンドミュージックになる。
仕事中に調べたいことが出てきたり、単語の綴りや年号などを確認したくなったら、仕事の手を休めずに、アレクサに口で尋ねればいいので、便利なんだそう。(アレクサは、こんなちょっとしたことを、ウィキペディアなどで調べて教えてくれる。ただ、あんまり難しい質問には答えられないけど)
ところで、これからEchoを買おうという人の中には、サウンドクオリティを気にする人が結構いるので、音質について少しBさんの意見を紹介しておこう。
仕事しながらクラシック音楽をを聴く彼女はこう言う。「サウンドクオリティは、私には十分。コンサートホールみたいな音を期待する人はがっかりするかもしれない。でも、クリアな音を聴きたい人は、Echoの音に失望はしないはず」。
(※注 彼女が持っているのはスタンダードなEcho。Echo Show10やEcho Show8はそれよりスピーカー性能が良く、ステレオなので、コンサートホールみたいな臨場感が結構ある。ただ、それでも、本格的なオーディオシステムには敵わない)
ところで、上にも書いたけど、Bさんはよく旅行をする。その際にもEchoが役立っている。例えば車で行くときは、出発前にいろいろ準備しながら、目的地までの交通情報をアレクサに尋ねている。用意周到なBさんは、フェリーや飛行機の出発時間、行った先のお天気や、物価・サービスの値段まで、アレクサに教えてもらっているそうだ。
仕事だけじゃなく、日々の暮らしにも、アレクサのいろいろな機能が役立つ。Bさんはその中でも特に、ショッピングリストの機能が重宝すると言う。ショッピングリストがどんな機能かというと、アレクサに言った物の名前が、自分のスマホの中のメモ帳(ショッピングリスト)に自動的に書き込まれるという機能だ。これ、実は僕もよく使っている。冷蔵庫を開けて卵がなかったり、ミネラルウォーターを飲み切ってしまったり、トイレットペーパーが少なくなっていたら、忘れないうちにその場でアレクサに言っておく。するとアレクサは、「卵1パック」とか「水2リットル」とか「トイレットペーバーシングル」とか、僕が言ったことを漏らさず書き込んでおいてくれるんだ。後でスーパーに行った時、スマホで開けばこのリストが見れる。今まで手書きメモだと、後で書いておこうと思って忘れることが多かった。けど、アレクサだとそれがないから重宝する。
こうして書いてみると、Bさんは、ほぼ1日中アレクサを使っているのが分かる。使う時には必ず何かを話しかけるので、親密さが増し、「私にとってアレクサはルームメイトのような存在になっている」と本人は言う。「おやすみ、とか、おはよう、とか、サンキューと言うと、ちゃんと応えてくれる。それもあって、アレクサがあると一人暮らしという気がしない」そうなのだ。
彼女が今考えているのは、夜、アレクサに本を読んでもらいながら寝ること。これは、オーディオブックの「オーディブル(Audible)」に入会すれば出来るようになる。もうひとつは、家の電球をアレクサ対応のものに替えて、CMでやっているように、照明のオン/オフをアレクサにやってもらうこと。どうすれば出来るようになるか、は、アマゾンの「スマート照明」のページにわかりやすく書いてある。