アマゾンEchoにはいろんな機能があって、何でもできる、みたいに宣伝されている。でも、実のところ、その100分の1くらいしか僕は使ってない。僕だけじゃなく、ほとんどのユーザーがそうだ、という調査結果が最近リークされた。それによると、Echoの膨大な機能を使いこなしてる人なんて、ほとんどいないんだよ。みんな、シンプルに使ってる。
リークされたのは、米アマゾンの内部資料。一流経済メディア「ブルームバーグ」が入手して記事にした。それによるとね、Echoを買って2週間ほどで使わなくなってしまう人が、少なからず（15%〜25%）いる。その一方、長年使い続けてる人もいる。
で、長年使っている人が、Echoを何に使っているかというと、音楽と、料理中のタイマーと、照明オン／オフ、だというのだね。
音楽、タイマー、照明オン／オフ
僕は2017年に初めてEchoを買った。当時は「フル活用しなきゃ損」と思って、使える機能を片っ端から試した。
極端な例を言うと、ゴミ出しの日に通知をもらうようにしたり、ピカチュウと会話したりもしてみた。
その後は、追加された「定型アクション（ルーティン）」という機能を使い、朝「アレクサ、おはよう」と声がけした後、アレクサに鳥の鳴き声を再生させ、エアコンをONにさせ、コーヒーメーカーをONにさせ、その日の予定の読み上げさせ、ニュースチャンネルを流させるのを、全部続けてできるようにもしてみた。
けどね、どれも今はほとんど使ってない。（定型アクションは、全部の設定がなぜか消えてしまったことがあり、それ以来、設定し直すのが面倒で放置。必要な時その都度声で命令すれば、僕には十分）
結局、僕が今使っているのは、音楽を聴くため、と、部屋の照明のオン／オフ。あと、コロナ流行のせいで、画面付きのEcho Showをビデオ通話でよく使う。奥さんは、料理中のタイマーとしてよく使っている。（僕もパスタを茹でることくらいするけど、手がふさがっている時に声だけでタイマーをかけられるのは便利）
つまり、Echo/アレクサの機能の100分の1も使ってないわけだけど、それは僕一人じゃない。アマゾンの内部資料によれば、特に長年使っている人はみんな、音楽、タイマー、照明オン／オフくらいしか使ってないという調査結果になっている。
この結果にアマゾン側はがっかりしている。だって、技術スタッフが苦労して付けた他の機能が、使ってもらえてないわけだからね。
でも、消費者である僕らから見れば、この残念な結果に有用なアドバイスが隠れている。Echoを初めて買う人に向けたアドバイスがね。それは何かというと……
買う前に、自分が音楽をよく聴くか？ 料理をするか？ 声で照明を操作したいか？ を考えるといい。どれもノーなら、買ったEchoはきっと物置行きになり、無駄になるだろう。どれもイエスなら末長く使え、いい買い物だったということになる。
100%使ってモトを取ろうと思わないこと
上で言ったように、Echo/アレクサの機能は膨大で、暮らしのあらゆる分野にわたっている。さらに、新機能がどんどん付け加わっている。だから、100%使うなんて土台無理な話だ。ハナから諦めた方がいい。
「じゃあ宝の持ち腐れだ」と言う人もいるだろう。僕も最初はその一人だったし、使わない機能のためにお金を出してEchoを買うのは損、と思っていた
けどね、思うのだけれど、Echoの値段は、使わない機能がいっぱいあることを考えに入れても、十分安い。これは感覚で言ってるんじゃなく、ちゃんとした根拠が2つある。
一つは、アマゾンの内部資料だ。それによると、アマゾンはEcho1台売るごとに約578円（5ドル）の損をすると計算している。ただし、いつまでも損したままじゃ商売あがったりだ。なので、Echoと連携するアマゾンのサービス（アマゾンプライムやアマゾンミュージックなど）を契約してもらうことで、2028年には、1台につき約231円（2ドル）の利益を上げることを狙っている。
アマゾンプライムやアマゾンミュージックを契約するかどうかはユーザーの自由だけど、（もちろん契約しないでもEcho/アレクサは普通に使える）どちらにせよアマゾンは、損をしてまでEcho本体の値段を下げているということだ。
もう一つ、安いといえる根拠がある。それは、アマゾンの重役がニュースサイト「ビジネスインサイダー」のインタビューを受けて発言したこと。彼は、Echoの販売価格はほぼ製造原価だ、と明かした。（詳しくは過去のブログを参照）
一般的に、モノの販売価格は製造原価の約3倍と言われている。そこから考えると、Echoは、本来の値段の3分の1で売られていることになる。通常価格がすでに大バーゲンだ。
だからね、なにも100%使いこなさなくても、音楽を聴くとか、料理用タイマーにするとか、照明をオン／オフするだけで、十分モトが取れると思う。