アレクサの将来のアップデートで、ちょっと不気味かもしれない機能が付け加わりそうだ。亡くなった人が残した声の録音をアレクサが学習して、その人の声で喋るという。アマゾンの技術者が、米ラスベガスで開かれたAI関連のイベント「re:MARS 2022」で発表した。
夜、ベッドサイドにあるEchoに向かって、黒人の男の子がこう言う。
「アレクサ、おばあちゃんに『オズの魔法使い』の続きを読んでもらえるかなぁ」
アレクサは「オーケー」と答え、そこからその子のおばあちゃんの声に切り替え、『オズの魔法使い』を読み始める。男の子はベッドに腹ばいになり、本の文字を目で追う……
「re:MARS 2022」のステージ上で、アマゾンのロヒッド・プラサド(Rohit Prasad)さんというAI技術者が、こんなビデオを映して見せた。
おばあちゃんの声の録音があれば、アレクサがそれを覚えて、おばあちゃんそっくりの声で喋れるようになるという。しかも、録音はちょっとだけ、60秒程度あればいいそうだ。
もちろん、おばあちゃんでなくても、友だちでも恋人でも……もちろん亡くなった人でも、録音さえあれば再現できる。「AIは、大事な人が亡くなった悲しみを取り除くことはできないが、大事な人の思い出を生かしておくことはできる」なんてちょっとシャレたことを、技術者のプラサドさんは言っている。

男の子が、パンダのデザインの子供用Echoに話しかけると……/YouTube

アレクサがおばあちゃんの声で本を読み上げる/YouTube
アレクサのこの機能はまだ完全ではなく、今も開発が続けられているとのこと。いつ頃になれば僕たちが使えるようになるのかは、発表されなかった。
しかし、こんなことが、家庭にあるそれほど高価でない機械(Echo)でできるようになるとは、凄い時代だ。亡くなった人がいろいろ喋るのは、ちょっと不気味な気もするが……。