ラジオファンに耳寄りな情報。イギリス情報通信庁（オフコム）の調査で、スマートスピーカーの意外な便利さが分かった。ラジオを聴くのにひどく重宝するのだ。どう重宝するかを、ユーザーのコメントを交えて紹介しよう。
知らない人もいるかも知れないが、スマートスピーカーでラジオを聴くことができる。（地上波ではなくネットラジオ）日本各地の放送局を、ローカル局も含めていろいろ聴ける。海外各国の局も、ローカル局や音楽専門局を含めていろいろ聴ける。聴くには、スマートスピーカーに向かって局名を言ったり、「アメリカのラジオを聴かせて」とか「音楽をラジオで聴かせて」などと言えば、スマートスピーカーのAI（人工知能）が適当に選局してくれる。
オフコムが詳しい聞き取り調査を行ったところ、ラジオを聴くのにスマートスピーカーを使っているユーザーが非常に多いことがわかった。理由は単純。その方が聴きやすいからだ。
選局がラジオのチューナーより簡単
スマートスピーカーは、ラジオ局の名前を口で言えばその局を流してくれる。ラジオ機のボタンを押したり、ダイヤルを微妙に回してチューニングする必要がない。
もちろんラジオ機でも、放送局を登録しておけば一発でその局にチューニングできるが、登録作業は面倒だ。その点、スマートスピーカーは、AIが何百というラジオ局をすでに記憶している。だから選局が飛躍的に楽だ。
下にあるのは、オフコムが調査したユーザーのコメント。選局が楽なので、いろいろな局を聴くようになったと言っている。
「多くのラジオ局を簡単に選べるから、聴く局のバラエティが広がった。これまで使っていたラジオは、聴いている局から別の局にチューニングするのが難しい」——Google Nest所有 女性 年齢40才前後
「アレクサに選局させるとき、私は特定の局を指定しないことが時々ある。局の名前を言う代わりに、ラジオから何か曲をかけて、とアレクサに言う。こうすると、聴いたことのない新しいラジオ局を発見できる」——アマゾンEcho（アレクサ）所有 女性 年齢20才前後
「僕はこのところ、新しく見つけたラジオ・パラグアイという音楽ラジオ局をスマートスピーカーでよく聴いている。ニューミュージックやその他いろいろな曲を、いい感じで取り混ぜて聴かせてくれる局だから、みんなにおすすめしたい。この局は地上波でなく、ネットでのみ聴ける。パソコンで探しても見つかるだろうが、パソコンの前にずっと座って音楽を聴きたい人はいないと思う」
スマートスピーカーでラジオを聴く人たちの約半数が、それまで使っていたラジオ機を捨ててしまう、という調査結果もある。スマートスピーカーで聴くと、それまでのラジオ機の操作が、無駄な苦労だったと分かるからだ。また、オーディオシステムのラジオは別として、大抵の単体のラジオ機はスマートスピーカーより音質が悪い。だからラジオ機は捨ててしまう、という人もいる。オフコムの調査結果には、こんなユーザーコメントがある。
「私たち夫婦は、以前はベッドルームにラジオを2台置いていました。LBCという放送局が好きで、古いほうのラジオはそこにチューニングを合わせたままにしていました。（電波がよくないので）一度外すと、もう一度合わせるのが難しいからです。もう1つの新しい時計付きラジオは、主に地元のローカル局を聴く用です。けれど、今はどちらのラジオもありません。アレクサが1台あるだけです」——アマゾンEcho（アレクサ）所有 男性 年齢不明
未知の放送局を探検できる
いつもは聴かない放送局（例えば辺境のローカル局とか外国の局）を、スマートスピーカーを使って探してください——こんな課題を、オフコムはユーザーに出した。スマートスピーカーの使いやすさを調べるためだ。
それで結果はというと、もちろん新しい局を一つも見つけられなかった人はいた。しかし、大多数のユーザーは「この課題を簡単にこなした」そうだ。スマートスピーカーにあれこれ言ううちに、いつもと違う放送局や、珍しい放送局を簡単に見つけられたということ。
スマートスピーカーで、世界の局や、各地のローカル局を聴けることはあまり知られていない。これは、ラジオ好きにとって、隠れた魅力だろう。