アレクサは私のベストフレンドーアマゾンEcho 使い方いろいろ(第19回)

Echo/アレクサに、決まった使い方なんてない。みんな自分の都合に合わせて使っている。僕がアメリカで見聞きしたり、ユーザーフォーラムで読んだ実例を、読み物風に紹介しようと思う。今回はその19回目。アレクサを勝手に「ベストフレンド」にしている、ちょっと都合のいい主婦・Eさんの場合。

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アレクサは人間と違って、どれだけワガママなことを要求しても、口答えしないし文句も言わない。1日100万回何かをやらせても、(ときどきトンチンカンな返事はするけど)嫌そうな声は出さない。

小さな子供2人を育てる主婦のEさんは、Echo/アレクサのそういうところを気に入っている。彼女はアレクサを、気兼ねしなくていい友だち——というより、自分にとって都合のいい友だち、のように思っている。ユーザーフォーラムでの彼女の発言が、そう感じさせる。

「アレクサは私のベストフレンドよ。料理中にキッチンに居てくれるととても助かる。例えば料理の材料を使い切っちゃって、買い足しておかなきゃいけない時ってあるでしょう? そんな時アレクサに『卵をショッピングリストに入れておいて』っていうふうに言えば、すぐリストに加えてくれるの」

友だち、と言うより、実際は小間使いという感じだけど、アレクサがこういうとき便利なのは確かだ。僕も、買っておかなきゃいけないものがある時、アレクサに言ってショッピングリストに書き込んでもらっている。ショッピングリスト、というのは、早い話、スマホの中のメモ帳のこと。何か物の名前を言うと、アレクサが聞き取って、文字にして書き込んでくれる。後でスーパーに行ったとき、スマホを開いてチェックできるというわけ。

もう1つ、アレクサがキッチンに「居てくれる」といいことがある。それはキッチンタイマーの機能。アレクサに、○分のタイマーをかけて、と言うと、すぐにセットしてくれる。濡れた手でタイマーのボタン操作をしなくていいし、タイマーも汚れないし、調理作業しながらでもセットできる。これが便利なんだ。しかも、同時並行で、いくつもセットできるのがいい。僕はよく、パスタ茹でタイマーと、レトルトパスタソースの温めタイマーを、同時にかけている。試しに10コ以上のタイマーを一度にかけたこともあるけど、何も問題なかった。

Echo機種の中でも、画面付きの機種(Echo Showシリーズ)だと、キッチンで役立つことがさらに増える。料理レシピが動画や静止画で見れる、というメリットが加わる。もちろん、動画を一時停止したり、静止画の次ページに行ったりするのも、声だけでできる。

さて、話をEさんのことに戻そう。

彼女はEcho/アレクサでよく音楽を聴く。その時も、アレクサはまるで友だちみたいなんだそう。

「私の音楽の好みを覚えていてくれるのも、アレクサが友だちみたいなところ。もしアレクサが気に入らない曲をかけたら、『その曲好きじゃない』と言えばいいのよ。アレクサはそれを覚えていて、後から2度とかけたりしないわ」

実際アレクサには、こうする能力がある。ユーザーが過去にリクエストした曲を全部覚えていて、そこから、ユーザーの好みを(大雑把にだけど)学習している。だから、「好きじゃない」とはっきり拒否した曲は、特に望まない限りそれ以上流さない。逆に、「何でもいいから曲かけて」と言えば、ユーザーが日頃聴いている曲を適当に選んで流してくれる。それにしてもEさんは、いつも友だちに向かって、「その曲好きじゃない」なんて厳しいことを言ってるのだろうか。

(※注 こんなふうにアレクサに曲選びをさせるには、いくつかある音楽配信サービスのどれかに、入会しておかなきゃいけない。有料のも、無料のもあって、無料のものは曲間に広告が入る。アレクサと相性がいいアマゾンの音楽配信は、説明がAmazonサイトの「アマゾンミュージック」のページにある)

他にもEさんは、アレクサとこんなやり取りをしてフレンドシップを深めているそうだ。

「アレクサは、ジョークを言って笑わせてくれたり、天気予報を教えてくれたり、ためになる格言を言ってくれたりするのよ。クイズ番組みたいにアレクサにクイズを出してもらって遊ぶこともあるし、真面目にニュースを聞かせてもらうこともある」

ただ、やっぱり、アレクサが口答えしないのが、Eさんにはいいみたい。それがよく分かる発言を最後に紹介しよう。

「うちの子供たちは、私が「やめなさい」と言っても全然聞かないから、よく『もっとアレクサみたいになりなさい』と言っているの。アレクサは『止めて』と言えば、音楽でもラジオでもニュースでも、いつだって口答えしないで止めてくれるでしょう? ひょっとして、Alexaはベストフレンドなだけじゃなく、私が一番好きな子供なのかもしれないわね」

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