アレクサで1日何十回もの労力を節約できるーアマゾンEcho 使い方いろいろ(第20回)

Echo/アレクサに、決まった使い方なんてない。みんな自分の都合に合わせて使っている。僕がアメリカで見聞きしたり、ユーザーフォーラムで読んだ実例を、読み物風に紹介しようと思う。今回はその第20回。「アレクサは、つまり時間の節約だ」と言うM君の場合。

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M君の素性は詳しく知らないけれど、どうやら理系の学生らしい。アレクサにいろいろ話しかけ、やり取りを楽しむ一方、アレクサがどれだけ自分に有益かを、きちんと計算している。

「少なくとも1日に10回はアレクサに助けられている」とM君は言う。その1回1回は、具体的には後で書くけど、とても小さなことだ。しかし、「おかげで、生活の中の些細な雑事に煩わされないで済んでいる」と彼は喜ぶ。

M君がアレクサを一番よく使うのは、天気予報を聞きたい時。明日の天気は? とか、いついつの天気は? と尋ねると、ネット上に発表されている天気予報をアレクサが探して、教えてくれる。これはあまり大したことない機能で、使わない人は全然使わない。けれど、M君はお天気がすごく気になる性分。(きっと洗濯好きなんだろう)だから、1日に何回もアレクサで天気予報を聞くという。

あと、彼は、自炊しているので、アレクサのタイマー機能をほぼ毎日使う。例えば茹で時間なんかをアレクサに言って、「タイマーセット」と言えばセットしてくれるわけだ。手を使わないでセットできるので、料理中にとても便利。

日頃テレビを見たり、何か読んだりする時、知らない言葉に出くわすことが誰でもあると思う。M君はそういう時、その場でアレクサに意味を教えてもらっている。パソコンで調べてもいいけれど、いちいち検索するのは面倒。その点アレクサなら、キーボードに向かう必要はない。気軽に「何々の意味を教えて」と尋ねればいい。

また、多くのEchoユーザーがそうしてるけど、M君も音楽配信サービスに入会して、Echoで音楽を聴いている。こうすると、アレクサに曲選びをさせられるようになる。これはメリットとして大きい。「静かな曲を」とか「ジャズを」とか「人気の曲を」とかいうリクエストをすると、アレクサが適当に選んでかけてくれる。もちろん、ズバリ曲名を言えばその曲を、アーティスト名を言えばその人の曲を。プレイリストを作るのだって、アレクサがやってくれる。M君は、基本的に、ジャンルや雰囲気で音楽を聴く方なので、「アレクサに選曲させた方が面倒くさくなくていい」と言う。

(※注 アレクサに曲選びをさせるには、音楽配信サービスに入会しておかないといけない。有料版・無料版があり、無料のものは曲間に広告が入る。アレクサと相性がいいのは、やはりアマゾンの音楽配信。興味があるなら、Amazonサイトの「アマゾンミュージック」のページに紹介されている)

M君は、Echo/アレクサで、ちょっと凝ったこともやっている。その1つは、照明器具をオン/オフさせることだ。電球をアレクサ対応のものに取り替えて、アレクサに「電気つけて」と言えば、自動で電気が点く。だからM君は、スイッチの場所まで行かず、いつも座ったり寝そべったりのままオン/オフをやっている。明るさ調節も、声でアレクサに支持できる。

(※注 アレクサ対応の電球は、各社から様々なタイプのものが出ている。見比べたい時は、Amazonの「スマート照明」のページに全部集められているので行ってみるといい)

もう1つ、M君は、玄関の鍵かけもアレクサにさせている。夜寝る前に、アレクサに「鍵かけて」と言えば、いちいち玄関に行かなくても自動で鍵がかかるわけだ。(解錠は、アレクサには出来ないようになっている)ただ、アレクサに鍵かけさせるには、アレクサ対応のスマートロックを取り付けないといけないので、ちょっと手間がかかる。

(※注 スマートロックは、玄関の錠そのものを取り替えるのでなく、錠を回すツマミの上に被せて取り付けるもの。ロックという名前だけど、実際は「電動ツマミ回し装置」。取り付けは自分でできる。各社からいろいろなタイプが出ており、Amazonの「スマートロック」のページに集められている)

こんなふうに、朝の天気予報から夜の鍵かけまで、M君はいろいろなことをアレクサにやらせている。それに慣れ過ぎてしまったので、この頃は、友だちに何か頼む時もつい「アレクサ」と呼びかけてしまうそう。友だちの方は、さぞムッとしているだろうが。

アレクサがやることは、どれも、パソコンやスマホでもできることだ。どうしてもアレクサが必要というわけじゃない。けれど、アレクサがあるおかげで、いちいちパソコンやスマートフォンのある場所まで行かないでよくなる。キーボードやタッチスクリーンを操作する面倒くささもなくなる。これ1つを見れば些細な労力かも知れないけど、それが1日何十回分も節約できるとなれば、大きなメリットだ。M君はそれを分かったうえで、こう言っている。

「アレクサなしでも暮らせはするよ。けれど僕は、そうしなくて済むことに感謝しているよ」

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