スマートスピーカーとの暮らし方に3タイプ、あなたはどれ?:英オフコム調査結果

スマートスピーカーのユーザーは、使い方で3つのタイプに分かれることが、イギリス情報通信庁(オフコム)の調査でわかった。今回のブログではそれぞれのタイプを紹介し、機種選びのポイントを書こう。

同じスマートスピーカーでも、生活への取り入れ方は人によって大きく違う。それをまとめると、3つのタイプに分かれる。「単なるスピーカー」派か、「スピーカー+α」派か、「家庭のコントロールセンター」派だ。

単なるスピーカー派

「単なるスピーカー」派のユーザーは、スマートスピーカーを「音声操作できるBluetoothスピーカー」だと考える。基本的にはスピーカーとして使うだけで、それ以外の機能は使わない。

例えば(オフコムが調査した)20代前半のある男性は、アマゾン・エコー(Amazon Echo)を、音楽とラジオを聴くためだけに使っている。彼にとってスマートスピーカーは、Bluetoothスピーカーの代替品だ。ただ、音声で操作できることは便利だと思い、こうコメントする。

「スマートスピーカーを持っていて一番いいと思うのは、手を使わずに操作して音楽を聴けること。スマートフォンや他のオーディオ機器で聴こうとするとそうはいかない。キッチンにいて手が濡れている時は特にいい」——Amazon Echo所有 男性 年齢20代前半

「単なるスピーカー」派にとって、スピーカーの性能は一番重要だ。僕はGoogleの機種はよく知らないけど、アマゾンのならスタンダードなEchoかEcho Show8、Echo Show10が最適だ。大口径のスピーカーが内蔵されているし、音に迫力がある。

スピーカー+α派

「スピーカー+α」派のユーザーは、もともと音楽やラジオを聴くためにスマートスピーカーを買うが、使ううちに、他の機能の面白さや便利さに気づいて使い始める。例えば料理レシピ、キッチンタイマー、アラームやリマインダー、ゲームやクイズなどの機能がよく使われる。

子供がいる家庭では、2台のスマートスピーカーを家の中でインターフォンのように使い、子供に「起きなさい!」と言ったり、「ご飯ですよ」と知らせたりして、子育てに使うことも多い。

調査で取り上げられた2人のケースを紹介しよう。最初は、自宅で仕事をする2児の母の例。所有しているのはアマゾン・エコー(アレクサ)。

彼女は音楽とラジオを聴く。それ以外に、アレクサで情報収集をしたり、リマインダーを使ったりしている。また、朝起きてアレクサに一声かけていくつかのことをやらせる「定型アクション」も使っている。面白半分に、外出時に「どんな服を着ればいい?」と聞いたりもするそうだ。下にあるのがが彼女のコメント。

「スマートスピーカーのせいで、朝の時間を節約できるようになった。テレビのニュースは1時間に1回しか放送しないけど、スマートスピーカーならいつでも聞けるのがいい。それに、ニュースも天気も旅行の情報も、とても詳しく教えてもらえる。毎朝起きて最初の5分は、コーヒーを飲みながらアレクサを聞いて過ごしている」

もう1つの例は、60代後半の男性。アマゾンとGoogleの両方の機種をいくつも持っていて、1台はスクリーン付きだ。ハイテク機器に興味があり、スマートスピーカーは声でやり取りするのが面白そうだから買った。主な使い道は音楽を聞くこと、情報を得ること、やることリストや買い物リストなどだった。ところが、使っているうちに、彼にとって非常に重要な使い道を見つけた。

実は彼には識字障害があって、単語の綴り(スペリング)がうまく覚えられない。だから頻繁に綴りを調べて確認するのだが、その時スマートスピーカーが役立つ。下にあるのが彼のコメントだ。

「識字障害がある私にとって、スマートスピーカーというテクノロジーは素晴らしいサポートと言える。グーグルで単語の綴りを調べることはできないが、スマートスピーカーに(英)単語を言えば、綴り(スペリング)を教えてくれる」

音楽やラジオに加えて、いろいろな機能を使う「スピーカー+α」派におすすめできるのは、アマゾンでは、値段の安いEcho DotやEcho Show5。まずこれで試してみて、気に入ったら上位機種を買うといい。

家庭のコントロールセンター派

「家庭のコントロールセンター」派のユーザーは、スマートスピーカーの実用的な機能を積極的に使い、家庭生活をスマート化する。このタイプの人にとってスマートスピーカーは、スピーカーというより、AIを備えた一種のコントロールセンターだ。家電品をスマートスピーカーで集中操作する人もいれば、家に複数台のスマートスピーカーを置いて、日常の雑事をスムーズにこなす人もいる。

スマート家電をコントロール

照明、エアコン、テレビ、インターフォン、見守り/監視カメラなどをスマートスピーカーと連携させると、声で操作できるようになる。これを本格的にやっている人が結構いる。オフコムの調査結果にある、20代後半の既婚男性の例を紹介しよう。

彼は最新テクノロジーが搭載されたモノが好きで、スマート云々と名のつく機器をたくさん持っている。スマートスピーカーは、アマゾンEchoが4台ある。それで何をするかというと、照明、エアコン、監視カメラの操作だ。もともとは音楽を聴くためにスマートスピーカーを買ったが、スマートプラグを買い足してから、家電操作にハマったそう。(スマートプラグを連携させると、スマートスピーカーで単純な機器の電源オン/オフができる)今では、スマートスピーカーが家電品のコントロールセンターになっている。下にあるのが彼のコメントだ。

「僕の1日は、スマートスピーカーと共に始まり、スマートスピーカーと共に終わる。起きて最初に(スマートスピーカーに)言いつけるのはベッドサイドのランプを点けることだし、就寝時にはそれを消させる。夜中にも、エアコンや扇風機の調節をしたくなった時、ベッドの中から(スマートスピーカーに)声をかけるだけなので、とても都合がいい」

雑事をスムーズにこなす

家電品操作ではなく、スマートスピーカーそのものの機能を使って家庭生活に役立てる人もいる。アラーム時計の機能で子供を起こしたり、食事の用意が出来たときに通話機能で子供部屋にアナウンスしたり、別々の部屋にいる家族とのコミュニケーションに使ったり、買い物リストで買い忘れをなくしたり……もちろん音楽や動画を楽しんだり、生活に必要な情報を得るためにも使う。こういう人たちは大抵、複数台のスマートスピーカーを持っている。次に挙げるのは、仕事をしながら子育てをする40代の母親の例だ。

彼女には4人の子供(10才〜16才)がいる。スマートスピーカーを複数台持っていて、4つの子供部屋とリビングに置いてある。それらを使って、家庭内の雑事を簡略化している。

例えば、朝子供を起こすのに、子供部屋のスマートスピーカーのアラーム機能を使う(リモートでセットできる)。リマインダー機能で大事なことを、自分が忘れないようにしたり、他の家族にもしっかり知らせるようにする(あらかじめセットしておけば伝え忘れがない)。買い物リストで買い忘れをなくす。予定表もスマートスピーカーで管理する。子供たちへの「ご飯出来たよ」コールや、家族全員に一斉に知らせたいことがあるときも、スマートスピーカーの通話機能を使う(複数台で一斉にアナウンスできる)。下にあるのが彼女のコメントだ。

「(外に仕事のある)私は、忙しい家庭内の仕事を手早くきちんとこなさなければいけない。そのためにスマートスピーカーがとても役立つ。子供は4人いて、それぞれ違う学校に通い、課外活動も別々だ。家族のスケジュール管理は、紙のスケジュール帳が基本だけど、日ごとのイベントや約束・予定は、全部スマートスピーカーにアップロードして、全員に自動的に知らせるようにしている。自分がどこにいても、スマートフォンアプリから子供たちのスマートスピーカーにメッセージを送ったり、いろいろな機能を設定したりできるのでとても都合がいい」

スマートスピーカーを家庭生活の省力化に利用したり、家電品のコントロールセンターとして使う人に勧めたい機種は、アマゾンの製品なら、Echo Show10(エコーショー10)か、壁掛けタイプのEcho Show15(エコーショー15)。どちらも家庭で使うように設計されている。

また、子供部屋に置く2台目、3台目は、値段が安く小型のEcho Dot(エコードット )がいい。

スマートスピーカーの使い方は、人によって様々だ。音楽用スピーカーをメインにしてもいいし、スマートホーム化してヘビーに使ってもいい。ただ、どう使うにせよ、全機能を使ってモトを取ろうと考えるのは良くない。膨大な機能に呑まれてしまう。自分の生活をスマートスピーカーに合わせるのではなく、スマートスピーカーの方を自分に従わせるのがいい。