前々回のブログでまとめたイギリス情報通信庁(オフコム)の調査結果から、スマートスピーカーユーザーの使用コメントを紹介する。公共機関の調査だから、宣伝目的じゃない。今回のテーマは、スマートスピーカーを何に使うか、どう使うかについて。
音楽、ラジオ、天気情報、ニュースはスマートスピーカーの定番
スマートスピーカーを買ってから、誰もが必ず使う機能は、音楽、ラジオ、天気情報、ニュースを聞くこと。何かを質問して答えてもらうことも、誰もが必ずやっている。あとは、タイマーやアラーム、予定表、買い物リストといった、暮らしのツールとしてもよく使う。僕自身もこういう使い方が多い。オフコム調査でも同じ結果が出ている。
一方、各メーカーが「先進的」として宣伝しているホームオートメーション(照明、テレビ、エアコンなど家電品の操作)や、通信機能(音声通話やビデオ通話)を使っている人はまだ少ない。おそらく、設定に手間がかかったり、通信したい相手がスマートスピーカーを持っていなかったり、持っていても機種が違うなどするからだろう。
下にあるのが「100人のユーザーが何に使っているか」を調査した結果。カッコ内は人数。
- 音楽配信サービスで音楽を聴く(86)
- 天気情報(82)
- リマインダーやアラーム機能(79)
- ネットを検索したり、知らないことを尋ねたり(73)
- ラジオをライブで聴く(70)
- ニュース(56)
- 旅行の情報を得る(40)
- ポッドキャストを聞く(37)
- 家電品の操作(テレビ、エアコン、照明など)(34)
- 買い物リスト(28)
- 音声/ビデオ通話やテキストメッセージのやり取り(21)
- ラジオ番組のアーカイブを聞く(21)
- 音声ゲームで遊ぶ(20)
- オーディオブックを聴く(14)
- ビデオ、動画を観る(13)
使うほど使い道が増える
スマートスピーカーは、使っていくうちに使い道が増えるもの。例えば、最初は音楽を聴く目的で買ったとしても、使っているうちに、結局他の機能もよく使うようになる。興味なかった他の機能も、使ってみると便利さが分かる、というパターンもあれば、知らなかった機能を使ううちに発見するというパターンもある。
これはうちの奥さんも言ってたけど、キッチンで使うと便利なのが分かって驚く。キッチンタイマーのセットや材料の分量計算が、ハンズフリーでできる。洗い物をしながら音楽を聴いたり、ビデオを見たりして楽しむことも、ハンズフリーでできる。オフコムの調査結果には、次のようなユーザーコメントが掲載されている。
「スマートスピーカーを使い始めた時は、(私にとって)AI付きのスマートなラジオ、というだけのものでした。でも、キッチンで料理や洗い物をする時に使うと最高でした。後になって、リマインダーやアラームや通話機能など、便利で役立つ機能をたくさん見つけました」——Google Nest所有 女性 年齢30才前後
「スマートスピーカーには僕が思っていた以上の機能があり、思っていた以上のことが出来ると分かりました。なので、楽しさが広がりました。他にも僕が望むような機能があるかも知れません。これからそれを探して行こうと思います」——Google Nest所有 男性 年齢20才前後
スマートスピーカーはあれもこれも出来る、多才だ、多機能だ、と言われているが、それを全部把握して買う人はいない。最初は限られた少ない用途のために買う。多機能さは、使いつつ発見する。そういうものだ。