Amazon Echo(アマゾン エコー)を買ってからいろいろなスキル(Alexaの機能)を試していた僕は、「Classical Study Music(勉強や仕事に集中できるクラシック音楽)」というスキルに行き当たった。これはまったく大したことないモノだったけど、おかげで僕はバッハの良さを知ることができた。Alexaが結んでくれた縁、と言えるかもしれない。
Echo/Alexaにできることは何千とあるけど、買ったばかりの状態では全部できるようになってない。できるようにするには、アマゾンの専用サイトに行って、使いたい機能(Amazonではこれをスキルと呼んでいる)を選び、有効化ボタンを押さなきゃいけないんだ。
アメリカでEchoを使っていた僕は、アマゾンサイトで面白そうなスキルを探すのがひとつの楽しみになっていた。ほとんどが無料だったから、気にとまったものは片っ端から有効化した。その1つが「Classic Study Music」だったんだ。
こんなに狭いスキルもある
Alexaのスキルは、とても細かく分かれている。良く言えば「特化されている」とも言えるけど、これから書く「Classic Study Music」はその極端な例。
Classic Study Musicというタイトルは「勉強に集中できるクラシック音楽」というような意味。でも、いろんなクラシック音楽が流れるわけじゃない。流れて来るのはバッハのゴルトベルク変奏曲だけ。
スキルの説明文には、「Open Goldberg Variations」という非営利団体が提供していると書いてあった。これは、ゴルトベルク変奏曲の演奏音源を無料で公開している組織。だから、このスキルも、ゴルトベルク変奏曲オンリーなんだろうね。
(ちなみに演奏しているのは、キミコ・イシザカさんという日系ドイツ人のピアニストだ。この人、元オリンピックの重量挙げ選手でもある)
バッハの良さを知った
僕は、クラシック音楽にはほとんど興味がなかった。このスキルを有効化したのは、ただ単に、「仕事がはかどりそうだ」と思ったからなんだ。
でもね、聴いてみて、曲そのものの魅力に引かれてしまったんだ。クラシックのピアノ曲なんだけど、何ていうか、ベタベタしてない。過剰な盛り上がりで聴いている人に感動を押しつけてくるようなところがない。クラシックなのに軽くて、それでいて美しいんだ。
もちろんクラシックをよく知った人なら、「その曲はそういう曲なんだよ」と言うかもしれない。でも、クラシックに縁がなかった僕には衝撃的だった。
そして、忘れないで言っておくけど、この曲は確かに仕事がはかどる。軽いから、こっちの思考を邪魔しない。それに、自然と人の気持を集中させるような透明感があるんだ。
もしEcho/Alexaがなければ、僕はこの曲と出会わなかっただろうし、バッハがこんな曲を作っていることも知らなかっただろう。そう考えると、これもEcho/Alexaのおかげだろうと思えてくる。
「続行」できない不具合は解消された
このスキルには、当初、不具合があった。曲の途中でAlexaにストップさせて、その後「続行」するように言っても、再生が始まらないという不具合だ。
でも、これはすぐに修正され、僕が使った時はまったく問題なかった。
こんなふうにAlexaのスキルは常にアップデートされている。当初、不具合や使いづらい部分があっても、ユーザーの声が反映され、すぐに改善されていく。これもAlexaの大きな長所。
追記:ここで紹介したスキル「Classic Study Music」は英語版のみ。日本語版のスキルで似たようなもの(勉強に集中できそうな音楽)は、「静かなピアノの音楽」というのがある。音楽ではないが、「カフェの音で集中力アップ」というのも勉強が捗りそう。Amazonのスキルページ「音楽・オーディオ」部門に行くと、他にも様々な環境音が見つかる。