Echo/アレクサと連携する家電はこれから増える〜2018年春の消費者調査より

ロンドンの大手調査会社IHS Markitが6月19日に発表した調査結果によると、スマートスピーカーと家電品を連携させて使っている人は、まだほんの一握りしかいない。けれど、同社のアナリストによれば、「その人数はこれからどんどん増える」そうだ。僕も全く同意見なので、調査結果とアナリストの意見を翻訳して紹介したいと思う。

日本を含めた5カ国のユーザーを調査

調査は今年2018年3月から4月にかけて、米国、英国、日本、ドイツ、ブラジルのスマートスピーカーユーザー計937人を対象に行われたもの。

スマートスピーカーにはAmazon EchoだけでなくGoogle Homeやその他の機種も含まれている。(対象者の40%はAmazon Echoを、23%はGoogle Homeを使っている。両方とも使っている人たちは20%いた)

スマートホーム機能を使っている人はわずか6%

この調査で分かったのが、スマートホーム機能を使っている人は少ない、ということ。約65%の人が、「知らないことを質問する」「お天気情報をチェックする」「ニュースを聞く」「音楽を聴く」ためにスマートスピーカーを使っていて、スマートホーム機能——例えば照明やテレビ、エアコンのコントロールに使っている人は6%しかいなかった。

下にあるのが発表された調査結果のグラフ。

出典:IHS Markit

(それぞれの棒の根元に書かれているのが使われ方。左から順に、

Answer a question 質問に答えさせるため

Check the weather/news 天気やニュースをチェックするため

Control other devices in your home 家にあるスマートスピーカー以外の機器をコントロールするため

Discover/control video 動画・ビデオを探したりその再生をコントロールするため ※日本ではまだできない

Discover/control music 楽曲を探したりその再生をコントロールするため

Make a phone call or send a message 電話をかけたりボイスメッセージを送るため ※日本ではまだできない

Make a purchase 買い物するため

None of these その他

棒の高さが、そのように使っている人の人数になる)

「スマートホーム機能を使っている人が6%」というのは別の質問項目の集計結果なので、このグラフには現れていない。

対応機器が増えればスマートホームする人も増える

スマートホーム機能はなぜこんなに使われていないのか?

それはスマートスピーカーに対応する家電品がまだ少ないからだ、と、IHS MarkitのアナリストのBlake Kozakさんは言っている。

スマートスピーカーの使われ方全体から見ると、声で家電品を操作するというのはほんの少しの割合にしかなっていない。しかし、音声コントロールに対応したテレビやビデオモニター、セキュリティカメラ、ロックなどは増え続けており、それらを設置した家も増えているので、スマートホーム機能が使われる機会は今後増え続けて行くだろう。

スマートホーム用家電を作る会社は世界に900社以上

Kozakさんによれば、現在(2018年)、世界の900社以上のメーカーが、約4,100品のスマートホーム対応家電を生産しているが、そのほとんどが「スマートフォンで家電品を操作する」という方式だそう。

ところが、家の中でなら、いちいちスマートフォンで操作するより、スマートスピーカーに声をかけた方が楽だ。

こういった理由から、現在メインになっているスマートフォンを軸にしたスマートホーム化の流れを、「最終的にはスマートスピーカーが打ちこわすはずだ」とKozakさんは予測する。

スマートスピーカーのスマートホーム機能はほとんど使われていないと言えるが、将来、スマートスピーカーが家電コントロールの主軸になるのは時間の問題だ。

スマートスピーカーに対応したオーディオスピーカSonos Beamや、ビデオストリーミングが簡単にできるFire TV Cubeのような機種がさらに普及すれば、スマートホーム機能を使う人はもっと増えて行くだろう。

※ Sonos Beam(サウンドバー)、Amazon Fire TV Cubeは、今のところ日本では販売されていない。