このサイトを一緒に作っている柴やん、Hiroshiと、最近、英語勉強会みたいなことをやっている。僕、nobu(TOEIC900保持者)が一応先生。このページはその一環。僕がニューヨークのESLコースで教わったリスニングのコツを、Echo/アレクサのCMを教材にして教えるよ。本来は仲間内のものなんだけど、どうせなら皆んなとシェアしたい。
今回はその2回目。アメリカ英語の”t”の発音が聞き取れるかどうかに、挑戦してみよう。そんなの「トゥ」とか、「タッ」に決まってるじゃないか…という人は、これから先を読んだほうがいい。
今回、教材にするのは、Echo Plusという機種が発売された時の、アメリカのプロモビデオ。時間は1分間。
聞いてみる前に、出てくるちょっと難しい単語を説明しておくよ。これを頭に入れてから聞くと、全体の聞き取りが楽になるはず。
- Dolby/a built in hub/smart home devices この3つとも専門用語に近いものだから、聞き流しちゃっていいよ。Dolby(ドルビー)は音楽の音質を上げるためのシステムの名前。built in hub(ビルトイン・ハブ)は内蔵されているハブという装置のこと。smart home devices(スマートホーム・デバイス)は、Alexa対応の家電品のこと。ふーん、そういうものがあるんだな、程度に思っておけばいい。
- brighten the room 「部屋を明るくする」 brightという形容詞はよく聞くけど、brightenと動詞として使われるのは珍しい。
- Alexa, play some country 「アレクサ、何かカントリーミュージックを流して」 国をプレイする??? とまともに捉えると混乱しちゃう。ネイティブにとっては、言わずともmusicのこと。
- a station 普通は「駅」のことだけど、ここではradio station(ラジオ局)のこと。
これをザッと頭に入れたら、まずは聞いてみよう。今回注意してもらいたいのは、出だしのワンフレーズ。Say hello ☆ Echo Plus というところなんだ。出だしからよく聞いてね。
さて、では、質問。
出だしの"Say hello ☆ Echo Plus” なんだけど、☆印の部分、何て言ってるか分かる? 理屈で考えちゃダメだよ。聞き取りの練習だから、素直に耳の感覚だけで、何て聞こえてる?
“Say hello the Echo Plus” と聞こえた人は、なかなか耳がいい。でも、これじゃあ意味が通らないよね。でもね、僕が聞いてもこの部分、”Say hello ダ Echo Plus” と聞こえるんだ。
で、正解は、というと、字幕を表示させると分かる。(YouTube動画の字幕表示ボタンを押すと字幕が出る)
はいっ、正解は”to”だね。”Say hello to Echo Plus”と言っている。
(Say hello to 〜 は、辞書通りの意味では「〜によろしくと伝える」だけど、このビデオは新登場CMだから、「エコープラスに、はじめまして!」と訳すのがいいと思う)
“to”の発音が「ダ」っていうのは、日本の学校じゃ教えてくれないけど、アメリカ英語じゃスタンダード。他にも、”t”の発音は、弱い感じの「ダ」になることが多いんだ。例えば、ビデオの0:53あたり、”Echo and Alexa are always getting smarter” の”getting”も、”smarter”も、tは弱いダになっていて、それぞれ「ゲディング」「スマーダー」に聞こえるはず。(下のビデオはその部分から始まるようにセットしてあるから、聞いてみよう)
“t”の発音が「ダ」になるのは、くだけたスラングなんかじゃないよ。ちゃんとしたCMやニュースや、スピーチなんかでも、アメリカ人はよくこう発音する(ボストン人やブルックリン人は別としてね)。だから覚えておくと、TOEICやビジネスの場なんかでも役立つ。
僕が習ったESLの学校では、「Say hello to〜 の発音は Say hello ‘da’ 〜 になりますよ」と、黒板に’da’と書いて教えていたよ。
ここまで読んで、ビデオを聞いて納得したら、to=トゥ だっていう思い込みを捨ててしまおう。to=ダ だと思っていろんな英語を聞いてみると、今まで雑音にしか聞こえなかった部分が、超簡単な単語”to”だったと分かるはずだよ。
※ 補習 すごく耳のいい人は、「to=ダ とは限らない」と反論するかもしれない。確かにそうなんだ。ビデオの0:30あたりに出てくる”just ask to play your favorite songs” では、明らかに「トゥ」と言っている。(下のビデオはそこから始まるようにセットしてある)
実は、これには理由があって、toがトゥになるかダになるかは、大体の規則に従っているんだ。toの直前の音が子音だと、toの発音は「トゥ」になる。だから ask to〜 ではトゥ。直前の音が母音だったり、子音でも伸ばす音だったりすると、toの発音は「(弱い)ダ」になる傾向がある。だから Say hello to〜や、gettingや、smarterの”t”は、「ダ」になっている。
今回の勉強はこれでおしまい。最後に、スマホだと字幕が出ないから、英語の文字起こしを載せておくよ。聴きながら確認したい人はどうぞ。
Say hello to Echo Plus, a hands-free speaker that’s controlled by your voice and Alexa.
It features premium audio powered by Dolby and a built in hub that can quickly set up and control your smart home devices.
Just say “Alexa, discover my devices”.
“Discovering devices”. (アレクサの声)
And Echo Plus does the rest.
Now, your voice can lock the doors, brighten the room, and more.
“Alexa, turn on the living room light.”
Ready for some music?
Just ask to play your favorite songs from your favorite places.
“Alexa, play some country”.
“Here’s a station for country music”. (アレクサの声)
Alexa can also wake you up, thaw you in (※注), call almost anyone, and more.
Best of all, Echo Plus and Alexa are always getting smarter, and adding new features and skills.
Echo Plus, from Amazon.
※注 この部分、YouTubeの機械字幕では”though you in”となっているけど、それだと全く意味が通らない。全体の文脈から推測して、ここは、起床後すぐの固まった脳を(ニュースなどで)融かして(thaw)あなたをいつもの生活ペースにイン(in)させる、という意味で、”thaw you in”と言っているのではないかと思う。
[連載目次]
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