Amazon Echo Show8の新型(第2世代)と、旧型の第1世代を比較して、選ぶポイントになる両者の差をピックアップした。それは5カ所ある。
Echo Show8の第1世代も、第2世代も、見た目は同じ。画面サイズも本体サイズも同じと言っていい。厳密に言うと、新しい第2世代はほんの少し小さくなっているけど、横幅が0.4mm、高さが5.9mm、奥行きが0.1mm少ないというだけ。ほとんど変わらない。画面サイズはどちらも同じ8インチだ。
「アレクサ」と呼びかけると対応してくれる人工知能アレクサも、同じ。アレクサはいつもアップデートされていて、旧型Echoで呼び出そうが新型で呼び出そうが、同じアレクサが出てくる。だから、出来ることも同じだ。
じゃあどこが違うか、というと……
内蔵カメラが、第2世代はいい。第1世代は劣る
新しい第2世代は、内蔵カメラの解像度がよくなっている。第1世代の解像度は100万画素(1メガピクセル)だけど、第2世代は1300万画素(13メガピクセル)と、相当いい。内蔵カメラを使うのは、Echo Showの場合、主にビデオ通話のときになるけど、この時、第2世代の方が、顔がはっきり映るというわけ。
でも、第1世代の100万画素も、そんなに捨てたもんじゃない。現在市場に出回っているWebカメラ(これもビデオ通話などに使うカメラ)の解像度も、標準的には100万画素程度だ。つまり、カメラの性能がすごく悪い、ってことじゃない。
ちなみに、第2世代の1300万画素は、iPhoneのカメラ画素数(1200万画素)と似たレベル。また、Echo Showの上位機種であるEcho Show10にも、同じ1300万画素のカメラが内蔵されている。
ビデオ通話するとき、第2世代なら、自分の顔がいつも真ん中に映る
ビデオ通話のとき、自分の顔がカメラに映るわけだけど、体を動かしたりすると、画面の端の方へ顔が行っちゃったりする。それを自動的に直して、いつでも顔を画面中央に持って来る、という機能が第2世代にはある。(Amazonは自動フレーミング機能と呼んでいる)だから、喋りながら何かやって、多少体を動かしても、相手にはいつもこっちの顔が見える。遠くに離れて顔がちっちゃくなると、自動的にズームインして、ちょうどいい大きさにもしてくれる。(ただ、カメラが映らない所に行っちゃうと、さすがにダメだけどね)
こういう機能は、第1世代にない。第1世代だと、カメラはそのまま映すだけ。人が動けば、動いた通りに映る。
参考までに、この自動フレーミング機能は、ライバル機種のグーグル Nest Hub Maxにも付いている。ただ、Nest Hub Maxの方は、グーグルで最高ランクの機種。Show8より画面が大きく(10インチ)、値段は1.9倍くらいする。
画面の色調を、部屋の照明に合わせて自動調節してくれるのが第2世代。第1世代は明るさ調節だけ
Echo Show8 第2世代は、内蔵センサーが周囲の照明の当たり具合を感知して、画面の明るさだけでなく、色調まで上手く調節してくれる。例えば、白っぽい照明の下で見た色と、赤っぽい照明の下で見た色は多少違って見えるけど、これが同じに見えるよう、その場その場で色加減を自動調節してくれるわけ。Amazonはこれを「自動色彩調節機能」と呼んでいる。
Show8 第1世代にこれはない。第1世代は、画面の明るさを自動調節するだけ。だから、周囲の照明が変われば、色合いがちょっと変わって見える。
「自動色彩調節機能」がありがたいのは、まず、ネットフリックスやプライムビデオなどを観るとき。周りの照明がどうであれ、第2世代なら色がきれいに見えるから、それだけ楽しめるというわけ。もうひとつは、Show8をフォトフレーム代わりにして、撮った写真を表示させるとき。やはり、部屋の照明に左右されず、オリジナルの(に近い)色調で写真を見れる。
参考までに、この機能は、グーグルのNest Hub MaxとNest Hubにもある。Amazon Echo Showの最高機種であるShow10にもある。
第2世代にはオーディオ出力ジャックがない。第1世代にはある
これはAmazonも、ネットメディアも、大声では言っていないこと。
旧型のShow5 第1世代には、外部スピーカーをケーブルで繋ぐための3.5mオーディオ出力ジャック(端子)がある。Show5の内蔵スピーカーは小さくて、音が良くないけど、このジャックでちゃんとしたステレオセットと繋げれば(ステレオ側のAUX端子に入力)、いい音で音楽を聴ける。
これが結構好評だったんだけど、新型の第2世代に、このジャック(端子)はない。新型なのに、この点は返って悪くなっている。外部スピーカーを繋ぎたいときは、BluetoothでBluetoothスピーカーを繋ぐしかない。これは第1世代でも、第2世代でも、どちらでもできる。
第2世代の方が、反応が(きっと)速い
第2世代の電子回路には、第1世代より性能がいいCPUチップが使われている。(一応書くと、第1世代はMediaTek MT 8163、第2世代は同じMediaTekのMT 8183 )
どちらのチップも、基本的な速さ(クロック周波数)は似たようなものなんだけど、第2世代のチップはオクタコアというタイプで、マルチタスクに強い。だから、沢山の仕事をさせても反応が鈍くならない。第1世代もマルチタスクに強いクワッドコアというタイプだけど、比べると、第2世代の方が性能がいい。
実際に使ったときの反応の速さは、CPU以外にもいろんな条件が絡んでくるから、いちがいには言えない。でも、総合的に見て、いいチップを使っている第2世代の方が、いろんな場面で反応が速いといえる。
これ以外はどちらも同じ
Show8 第1世代と第2世代の違いはこれだけ。他の機能や性能はまったく同じだ。スピーカーは同じものが内蔵されているし、画面解像度(画面のくっきり度)は同じ1280 x 800 ピクセル。
家電品を操作するときに使うスマートホームハブは、どちらにも内蔵されていない。充電式じゃないという点も同じ。(ちなみにEchoシリーズはどれもバッテリー内蔵じゃなく、常にコンセントに差し込んで使う)
あと、最初に書いた通り、「アレクサ」と呼びかけたときに応答する人工知能Alexaは、同じものだよ。第1世代でも第2世代でも、最新バージョンのアレクサが対応するので、働きに差はない。
最後に、これは個人的意見だけど、ビデオ通話を頻繁にする人なら、性能がアップした第2世代のカメラと「自動フレーミング機能」が役立つはず。でも、ビデオ通話をしなければ、宝の持ち腐れになると思う。もし、あなたが、ビデオ通話にそれほど興味ないなら、カメラや自動フレーミングは無視して、安い第1世代を買ってもいいんじゃないかな。
あと、Show8 第2世代の「自動色彩調節機能」は、ないよりあった方がいい。でも、画面が8インチ(小さめのタブレットPCくらい)と、たいして大きくないから、色の美しさに驚いたり、感動したりするほどの効果はないように思う。