スマートスピーカーを買った後、実際に役立つのか?:英オフコム調査結果

イギリスのオフコム(情報通信庁)が、スマートスピーカーの実際の使われ方を発表した。スマートスピーカーを買う上で、知っておくといいことがいっぱいあったので、内容をかいつまんで紹介しよう。公共機関の調査だから、宣伝目的がなく、信じられる。

まず、どんな調査が行われたのかを簡単に書いておこう。調査期間は2022年8月〜10月。対象者はすでにスマートスピーカーを持っている100人と、持っていない15人。彼らは、どう使ったかを毎日記録し(持っていない人には新品が送られた)、使い方や自分の体験について意見を出し合った。その結果、下に挙げることが分かった。

ほとんどの人が大して期待せずに買う

ほとんどの人が、スマートスピーカーを、大して期待せずに買っている。「何ができるか」という機能は重視しない。好奇心を満たすのが主な目的だ。買う前から知っていたスマートスピーカーの機能はというと、音楽再生、ラジオ、その他のベーシックな機能だけ。

買うときに、ブランド(アマゾンかグーグルかなど)ですごく迷う人はいない。会員のアカウントがあったり、すでにそのブランドの他機種を持っていたりすれば、たんに「面倒臭くないから」という理由で同じブランドを選ぶ。

スマートスピーカーを持っていない人たちが買わない理由は、「必要のない贅沢品だから」。

音楽、ラジオ、ニュース、天気情報、あとは生活の小道具として使う

スマートスピーカーの主な使い道はというと、音楽を聴く、ラジオを聞く、ニュースや天気情報から情報を得る、知らないことを質問して答えてもらう、というのがほとんど。

また、タイマー機能やアラーム機能、リマインダー機能といった生活に役立つ単純な機能も、多くの人が頻繁に使う。

スマートスピーカーで家電品を操作できるが、これを実際にやっている人は少ない。2台のスマートスピーカーで電話のように通話する(ネット経由)ことができるが、これをやっている人はもっと少ない。

使ううちに知らない機能を発見する

スマートスピーカーを買ったばかりの時は、音楽、ラジオ、ニュース、天気情報などベーシックな機能しか使わないが、使ううちに、それ以外の、期待していなかった機能を発見する。ただ、中には、時間が経つと目新しさが薄れ、使わなくなってしまう人もいる。

スマートスピーカーユーザには3つの流派がある

1つは、「スマートスピーカーはオーディオスピーカーである」と考える人たち。彼らは、音楽を聴く、ラジオを聴く、以外の機能をめったに使わない。

もう1つは「スマートスピーカーはスピーカーに楽しいオマケが付いたもの」と考える人たち。彼らは音楽やラジオを聴くのに加え、いろいろなことでスマートスピーカーを使う。

最後に「スマートスピーカーは家庭のコントロールハブだ」と考える人たち。彼らはスマートスピーカーで家電品の操作をするなど、生活に役立つ機能を積極的に利用している。

ハンズフリーなのがいい

スマートスピーカは、声でいろいろな指示・リクエストができる。両手が空いた状態になるので、日常の雑事をこなせる。作業の手を止めなくていい。この点がとても便利だ。

初期設定は簡単だった

多くのユーザーが、「初期設定は簡単だった」と言っている。スマートスピーカーをこれまで持っておらず、今回初めて初期設定した人たちは、その手順のシンプルさに驚いた。

設定を変更してパーソナライズすることができるが、そうする人は少なく、ほとんどがデフォルト設定のままで使う。

最後に僕の感想——スマートスピーカーは何でもできるように言われている。けれどもそれをやらせようとするといろいろ複雑なことになって来る。そこが面倒で、結局はシンプルな使い方をする人が増えている。これはスマートフォンでも同じだと思う。いろんなアプリを入れれば何百のことができるが、結局、自分がよく使うものしか使わない。ハイテク機器は使い残しがあって当然、と考えるべきで、それがハイテクに振り回されない使い方なんだろう。