Echo Show8(第1世代)とEcho Show5(第1世代)を比較:見た目に出ない違い

アメリカでは前からあった「Echo Show8(エコーショー8)」が、日本でも発売された。画面サイズが8インチだからShow8(エイト)というわけ。「Echo Show5(エコーショー5)」と同じく、普通のEcho Showと比べてグレードは落ちる。値段が安い。となると、Show5とShow8どっちにするか迷う人がいると思う。発表されている資料から、選択のポイントをピックアップしてみた。

※ ここでいうEcho Show8は、2020年2月に発売された第1世代のもの。Echo Show5は2019年6月に発売された第1世代のもの。機種名を全部書くと長くなるので、以下、Show8は「8」と、Echo Show5は「5」とだけ書くことにする。なお、2024年2月現在の最新モデルは、Show8(第2世代)とShow5(第3世代)。この2つの比較はこちらのページ


Echo Show8
(第1世代)

Echo Show5
(第1世代)

Show8が目立って優れている点

Show8とShow5を全体的に比べれば、明らかに「8」の方が上。けれど、部分部分を見ると、性能的に同じ部分もあれば、すごく差のつく部分もある。まず、選ぶ上で無視できない「8」のすごく優れた部分を言おうと思う。それは2つある。

画面のくっきり度:Show5より、Show8が目立って鮮やか

Show5の画面サイズは5.5インチ、大体スマホと同じくらい。ちなみに5.5インチ画面のスマホは、AQUOS sense2やExperia XZ、Galaxy S7などがある。

これに対してShow8は、小さめのタブレットパソコン程度の、8インチ画面。「8」の方が大きいのは一目瞭然。

けれど、大きさ以外にも、「8」の画面がダントツでいい部分がある。それは画面解像度。つまり、くっきり度合いが「8」の方が優れている。

数字で比較すると、「5」の解像度は960×480(ピクセル)で、高解像度(HD)とはいえない。つまり、画像があんまりシャープじゃない。対して「8」は1280×800(ピクセル)で、これは高解像度(HD)の部類に入る。ついでに言うと、1280×800(ピクセル)という解像度は、最上位機のEcho Showと同じ。

今のスマホは小さくても(ほとんど)高解像度だから、「5」も高解像度にできたはずだけど、Amazonはそこで節約したんだね。

実際に「8」と「5」で動画を見比べてみると、「8」の方が明らかに鮮明。

スピーカーの仕様:Show5より、Show8が3段くらい上

Show8の内蔵スピーカーは、Show5のものより相当優れている。

まず1番目に、内蔵されているスピーカーの個数が違う。「5」は1個だけ。だから音はモノラルだ。対する「8」は2個で、ステレオ。

2番目に、スピーカーの大きさと出力がだいぶん違う。「5」のスピーカーは1.65インチで、出力は4W。対する「8」はそれより1cmほど大きい2.0インチスピーカーで、出力は10W。しかも、これが2個付いているから、「8」の合計出力は20Wになる。「5」の出力の5倍だね。ちなみに20Wという出力は、最上位機のEcho Show10(第2世代)と同じ。

3番目に、「8」にはパッシブラジエーターというのが付いている。パッシブラジエーターというのは、電気が通っていないスピーカーのこと。それ自身は音を出さないけれど、実際に音を出すスピーカーの低音域に共鳴して、一緒に振動する。だから、これがあると、低音域が増強されるというわけ。(ちなみにEcho Show10(第2世代)にもパッシブラジエーターが付いている)「5」にこれは付いていない。だから「5」の低音は貧弱だ。

以上3つの点で、スピーカーは、「5」より「8」が優れている。もし音楽をよく聴くなら、「5」のスピーカーじゃ満足できないだろうと思う。

Show8でもShow5でも変わらない点

最上位機のEcho Show10(第2世代)と比べれば差が出るけれど、Show8とShow5を比べるとき、どちらも同じで気にする必要がない点がある。それが次に挙げる4つ。

内蔵カメラの画素数:どちらも低い

「8」のカメラも「5」のカメラも100万画素(1MP)で、画素数は同じ。Echo Show10(第2世代)のは500万画素(5MP)なので、それから比べると写りの鮮明度が大分落ちる。

ただ、落ちると言っても、それほどダメなわけじゃない。「8」と「5」の100万画素(1MP)というのは、スタンダードなWebカメラの画素数と同程度で、一応HD(高解像度)カメラの部類に入るよ。

内蔵カメラを使うのは、互いの顔を映すビデオ通話のときが多い。だから、中には自分の顔をはっきり見られたくなくて、「100万画素で十分」という人もいる。

スマートホームハブ:どちらにも内蔵されていない

スマートホームハブは、Echoで家電品を操作するときに必要になるもの。Echoからの命令の電波を、家電品に届かせるための中継機みたいなものだ。

これが、最上位機のEcho Show10(第2世代)には入っているけど、「5」と「8」にはどちらも入ってない。

ただ、あまりガッカリすることはないよ。普通のEcho 第3世代以前(筒型のもの)やEcho Dotの第3世代以前(円盤型のもの)にも入ってないし、必要なら、家電メーカーが別売りしてるから、それを買えばいい。(メーカーによってはスマートホームハブとは呼ばずに、スマートハブ、とか、ホームハブ、とか、ブリッジと呼んでいる)値段はどれも似たようなもの。

それに、最近はスマートホームハブ不要の家電品もたくさん出て来ているから、内蔵じゃなくてもそれほど困らないと思う。

オーディオ出力ジャック:どちらにもある

Echoの内蔵スピーカーに不満な人たちは、もっと音のいい外部スピーカーを繋いで、そっちを鳴らして聴いている。

繋ぎ方には2種類あって、Echoシリーズなら大抵Bluetoothと3.5mmオーディオケーブルのどっちでも繋がる。ところが、Echo Show10だけは(上位機のくせに)Bluetoothのみだ。オーディオ出力ジャックがない。これがユーザーからは結構不評だった。ケーブルをジャックに挿す、っていうのは、Bluetoothのセッティングよりシンプルだからね。あと、Bluetooth対応じゃないちょっと古いオーディオセットの場合、ケーブルでしか繋がらない。

じゃあ、「8」や「5」はどうか、というと、オーディオ出力ジャックがちゃんとある。どちらも3.5mmオーディオケーブルで、外部スピーカーと繋がる。もちろん、Bluetoothでも繋がるよ。

カメラカバー(内蔵カメラをワンタッチで目隠しする覆い):どちらもついている

Echo Showのカメラにプライバシーを侵害されるんじゃないかと心配する人は多い。カメラをオフにするスイッチは(ボタンやスマホからの設定に)あるけれど、それだけじゃ不安という人もいる。中にはレンズにテープを貼って、何も映らないようにしている人もいるくらいだ。

Amazonはそういう人たちの声を聞いて、Show5とShow8に、手軽な目隠し窓を取り付けた。これは、上位機のEcho Show10(第2世代)にはない、「5」と「8」だけの優れた点といえる。どんな窓かというと……

本体右上の正面(スクリーンと同じ面)に、カメラレンズの丸い穴がある。さらにその上(オレンジ色の部分)に小さなノブが付いていて、これを指先でスライドさせると、レンズの穴の前にある窓もスライドして開閉する、という仕組み。Amazonはこれを、窓とは言わず「カメラカバー」と呼んでいる。

上位機のEcho Showにカメラカバーはついていない。けれど、「5」と「8」のどちらにもついている。

Show5はベッドサイドを、Show8はキッチンを意識して作られている

買ったものはどう使おうと自由だけれど、一応、Amazonが何を考えてShow5とShow8を作ったかに触れておこうと思う。

「5」はベッドサイドに置いて使うことを、「8」はキッチンで使うことを意識して開発した、と、アメリカのAmazon本社は製品発表の際に言っている。

そう言われてみると、確かに「5」の大きさ(148mm x 86mm x 73mm)は、小さなサイドテーブルに置くのに丁度いいし、ベッドで使うには低レベルのスピーカーや画面解像度でも構わない。

一方、大きめの「8」(200mm x 136mm x 99mm)は、キッチンなら物で混み合っていても何とか置けるサイズだし、なんと言っても、立ったまま顔を近づけないでレシピ動画が見れる大きさの画面になっている。

以上、「5」と「8」の比較検討ポイントを挙げてみた。最後に補足——「アレクサ」と呼びかけたときに出てくる人工知能Alexaは、どちらも同じものだよ。(「5」「8」を含めてEchoシリーズなら全部同じ)なので、アレクサの能力に差はない。いろんな質問に答えてくれるし、ビデオ通話もできるし、音楽やニュースも流してくれる。Amazonプライムビデオも見れるし、見守り・監視カメラのモニターにもなる。

また、「5」にも「8」にも、Echo Show10と同様にウェブ・ブラウザが入っているので、インターネットサイトを見たり、YouTubeを見たりもできる。

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Amazonの「Echo Show5(第1世代)」のページはこちら