音楽再生に使うまで、Echoの良さはわからない—アマゾンEcho 使い方いろいろ(第3回)

Echo/アレクサに、決まった使い方なんてない。みんな自分の都合に合わせて使っている。僕がアメリカで見聞きしたり、ユーザーフォーラムで読んだ実例を、読み物風に紹介しようと思う。今回はその3回目、奥さんにEchoをプレゼントされたOさんの場合。

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結婚して3年目のOさんは、30代半ばの真面目な会社員。クリスマスに奥さんからEchoをプレゼントされた。

もちろん、喜んで包みを開けた彼なんだけど、内心では「こういうモノは使わないな」と思っていたそうだ。アレクサの使い方はテレビCMで知っていた。けど、機械(Echo)に向かって話しかけるのはなんとなく気恥ずかしいし、面倒くさい気がしていたらしい。実は、僕だって最初は、「アレクサ」と言うのが気まずかったから、みんなそんなもんなのだろう。

という理由で、Oさんは最初のうち、アレクサにお天気を尋ねるくらいしかしてなかった。ところが、それだけじゃ飽きて来て、他に出来ることをいろいろ試したんだね。そして、音楽を聴いてみると、考えがまったく変わってしまった。

アレクサは、アーティスト名を口で伝えるだけで、そのアーティストの人気曲をかけてくれる。この機能が、特にOさんにはハマった。彼はジャック・ジョンソンのファンなので、片っ端から有名な曲を、ランダムにかけて聴くことが多いそうだ。

(※注 これをやるには、例えばアマゾンミュージックアンリミテッドなど、アレクサと連携できる音楽配信サービスにあらかじめ入っておかなければならない)

音量調節を口で(声で)できる点も、Oさんのお気に入りだ。アレクサに音量の数字を「5」とか「6」とか伝えると、自動でその音量になる。本体のところまで行かなくてもいいし、リモコンを探す必要もない。どこに居ても、その場で声で言うだけだ。

あと、「最大音量の10にしても音が割れない」Echoのスピーカーの性能に、Oさんは驚いている。「音量10にする機会はほとんどなく、うちでは最大でも7で聴いている」という。(これはEcho Dotではなく、スタンダードなEcho)Oさん宅でも、ホームパーティーを開くようなことがあれば、音量10が活躍するに違いない。

ところで、Oさんだけでなく、彼の奥さんも、音楽を聴くのにEchoを使っている。彼女の場合、キッチンにEchoを持って行って、料理しながら聴いている。これは、僕の奥さんもやっていることだ。野菜を刻んだり、フライパンで肉を炒めたりしながらでも、好きな曲をアレクサにかけてもらうことができるのがいい。

それに、Echoはキッチンタイマーとしても便利。料理で手がふさがっていても、声でタイマーをセットできる。タイマーのセットは、音楽が流れている最中もできる。ユーザーの声を聞き取ったアレクサは、自動的に音楽のボリュームを下げて、タイマーをセットしたことを告げてから、再び音楽を元のボリュームに戻す。こういう点も便利に出来ている。

さて、こんなふうに、ひたすら音楽面でEchoを使い始めたOさんだけど、さらに数ヶ月ほど経つと「他の機能も結構使える」ことに気がついた。

どんな機能かというと、これは彼の場合だけかも知れないけど、具体的には2つ。1つはラジオのニュースで、Oさんは毎朝出勤前にニュースを流すようにアレクサに指示している。一般のラジオのニュースは流れる時間が決まっているけど、アレクサに指示すると、時間に関係なく、その部分だけを切り取って流してくれる。これを、彼は便利に感じている。きっと、相当短時間で支度して出かけるんだろう。

もう1つは、こまごました質問にアレクサが答えてくれるという機能。Oさんは、奥さんと雑談している最中に、小さな疑問がよく頭に浮かぶそうだ。例えば、有名な女優の年齢とか、外の現在の気温とか、道路の混み具合とか、次のクリスマスまであと何日あるのか、とか……これは誰でも経験することじゃないかな。で、分からないと、モヤモヤした気持ちが消えない。けど、アレクサに訊けばすぐに教えてもらえて、スッキリだ。

音楽再生も含めて、OさんにとってEchoは「毎日役立つ実用的なデバイス」になっている。最初は使わないだろうと思ったけど、「このデバイスが好きになりました」と言っている。特に、音楽をよく聴く方にはおすすめだそう。

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