僕には奥さんがいる。僕がアメリカに赴任するとなったとき、奥さんは外国暮らしを嫌がった。でも、結局はついて来てくれた。今もそれに感謝している。ところで、アメリカでAmazon Echo(アマゾン エコー)を買ってから、僕は自分のためばかりにEchoを使っていたことに気がついた。それじゃあいけない。で、奥さんのためにEchoを役立てられないかと考えた。
Amazon Echo(アマゾン エコー)は奥さんに何ができるのか? もちろん、音楽を流したり、照明をon/offさせたりと、奥さんが便利に使っているものはある。でも、もっと何かできないか? それを考えながらいろいろ調べた僕は、Echo/Alexaが料理レシピを教えてくれることを知った。
キッチンにEchoを置く
料理レシピを教えてくれるAlexaの機能は、買った時には使える状態になっていない。だから、いきなりレシピを教えてくれと言っても、反応してくれないんだ。
反応してもらうには、スマートフォンアプリでAmazonの専用サイトに行って、機能を「有効」にするボタンを押さなきゃいけない。(こうやって有効化させて使う機能を、Amazonは「skill(スキル)」と呼んでいる)
それを済ませると、Echo/Alexaにレシピの能力が加わる。
そうすると、例えば「チキンとマッシュルームとほうれん草でできる料理を何か教えてよ」という問いに、答えが返ってくるようになるんだ。
「チキンとマッシュルームとほうれん草でできる料理が123種類見つかりました。おすすめは○○○で、千以上のレビューがあり、五つ星の評価がついています。かかる時間は45分です」という感じの回答がある。
時間がそんなにない時は、「30分しかない」とか言えばいい。Alexaは30分以内でできる料理を選びなおしてくれる。
その後は、料理レシピを1ステップごとに読み上げてくれる。
(一体Alexaがどこからレシピを見つけてくるかは分からない。きっと、クックパッドみたいなレシピデータベースがネットの中にあるんだろう)
これは便利! と思った僕は、奥さんに使い方を説明して、Echoをキッチンに置くことにした。(このEchoは2台目に買った筒形のEcho。初めて買ったEcho Dotは僕専用になっていた)
立ちはだかる言葉の壁
それで奥さんが喜んだかというと、まったく喜ばなかった。レシピ機能は使わずに、音楽を聴いていた。
どうしてかというと、レシピの用語がよく分からなかったからだ。奥さんの英語力はなかなかのもんで、日常会話でまったく不自由しない。でも、料理レシピは独特の言葉を使う。初めて聞くような言い回しがよく出てくるんだ。だからほとんど解らない。
それにもう1つ、材料の名前を日本語では知っていても、英語で知らないものが多い。発音だって分からない。例えばアーティチョークの正しい発音を知ってる人なんているのかな?
まあ、こんなわけで、僕の思惑は見事に外れた。そのうち日本でもEchoが使えるようになるとき、Amazonとクックパッドあたりが提携して日本語レシピを提供してくれるといいな。その時、もう一度奥さんに試してもらいたいよ。
追記:2024年の時点で、クックパッドとデリッシュキッチンが、Echo/アレクサ向けのレシピを提供している。ただ、ユーザーレビューを読むと、けっこう難点があるようだ。Amazonのスキルページ「クックパッド」と、「DELISH KITCHENの簡単レシピ検索」に、何ができるかという説明とレビューが載っている。